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気丈に振る舞う彼女はいつもどこか危なっかしい部分があった。抜けているというか、天然というか。目を離せない様な愛らしい一面を持っている。
大学院を出て、彼女が歩いて帰る際に通るであろう道を辿りながら、一度、彼女の捜索を諦めて工藤邸に戻った。
エントランスを通過して真っ直ぐ階段をのぼると、彼女の部屋の扉を数回ノックする。返答があるとは思っていなかったけれど、女性の部屋に入るのだから念の為。
案の定、扉の向こうからの返事は無い。
気配すら、感じられない。
真鍮のドアノブを捻って扉をゆっくりと開けると、生活感の失われた“工藤邸の一室”があるだけだった。
彼女の愛用していた鏡も、気に入っていたシーツも、メイク道具や置物も何もかもが無くなっていて、俺の心もまるで何かが失われていくように虚しくなった。
こんなにも、冷たい雰囲気の部屋だったなんて、気づきもしなかった。
ただ少し香る彼女のお気に入りの香水の匂いが僅かにして、俺は直ぐに扉を閉めた。
これで、いいじゃないか。
どの道、証人保護プログラムを受けてしまえば、俺とAは今後一切関わることの無い関係となるはずだったのだから。形は違えど結果は現在のこの状況と同じ。
彼女の身の安全が些か不安ではあるが、彼女の言った通り、ヤツらがあの変装に気づいている可能性は限りなくゼロに近い。プログラムを受けて欲しい気持ちは未だ有るが、強制ではなく任意だ。
俺が必ず守ってやると、言ってあげるべきだったのだろうか。そうすれば、なにか変わったのだろうか。
これからも一緒にいる覚悟を俺が持てたら。
確実に守ってあげられるくらいの力を持っていたならば。
否、組織が彼女に気づけば、俺の弱みとして囮に使われるだろう。危険が隣り合わせになるのは必須だ。
もし、Aの命と、黒の組織の壊滅を天秤にかけられた時、俺はどちらを選ぶのだろう…。
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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません？？？？ (8月19日 18時) (
レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね！続き楽しみにしてます！頑張って下さい！！ (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました！続きが気になりすぎます！！ (2023年5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです！感想もありがとうございます。これからの励みになります！ (2023年5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します！ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます！ (2023年4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お話仕掛け人 | 作成日時：2022年8月10日 17時
