ふるや違いです！5【名探偵コナン】

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赤井side


間違いを犯したとすれば、あの日、身なりに合わないカバンをぶら下げて走り去る男を捕らえたこと。そのカバンを持ち主へと届けて…そしてその人に、懐かしさと居心地の良さを見出してしまったこと。


沖矢昴としての生活をスタートしたばかりで、死んだ赤井秀一が生存していると気づかれてはいけない中で、目立つことはご法度だ。


人助けなんて目立つような真似をしたのは、徹夜明けの脳みそだったからだろうか。



こちらに手を伸ばし安心したように微笑む彼女の中に、以前愛した女性の面影を見た。



あくまでも沖矢昴として関わるつもりでいた。



仲のいい大学院生としてほどほどに過ごすつもりでいた。



深く関わらず、気を休めたい時に会って一息つくくらいの…なんて甘い考えは、そのうち欲を見せて。





あわよくば…なんて何度考えたことか。



良い歳こいたFBIのおっさんが、いくつも年の離れた大学院生となんて、許されるものでは無い。

自分の立場をわきまえれば尚更。



けれど、これまで得たことの無い安心感が、彼女といると感じることができた。
普通に生きていたらこんな日常なのだろう、と彼女を通して、手にした事の無い生活を体験していた。



彼女もそうだといいなと、何度も思った。

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