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「それに、安室さんがこんなに普通に出勤してるなんて、危険だよAお姉さん…」



少しだけトーンを落として、“信じられない”とコナンくんが言う。
視線を気取られないように一瞬だけ後ろを振り返る彼を他人事に見つめる。



「安室さんが一体どういうつもりなのか分からないけど…1回赤井さんのところに戻るべきだよ」



「出勤した時は、いつも通りの安室さんだったよ」



「そりゃそうするでしょ。でも安室さんがバーボンなのは間違いないんだから、いつまた危険なことに巻き込まれるか…」



「あの時の私は“宮野志保”だったんだから大丈夫。あれが私だったって気づかれていないよ。気づかれていない限り、私に害が及ぶこともない」




コナンくんは厳しい声音で言い切る。

それも当然か。



心配はヒシヒシと伝わってくるが、これ以上突っ込まれたく無い。あいにく、上手なかわし方なんて会得してないから。





「ところで、ひとつ聞いていい?」



「なに、」




私がコーヒー豆を挽く手を再開させて問いかけると、やっとアイスコーヒーに口をつけた。
帰ってきたのは氷みたいに冷たい返答。




「さっきの“翌日のあんなニュース”って、なんのこと?」




カラン__と、また氷が鳴った。



ストローから口を離したコナンくんが、“何言ってんだこいつ”みたいな目で見つめてくる。




「Aお姉さんまさか、ニュース見てない?」


「工藤邸を出てから一度も…」




“無い”と改めて伝えると、コナンくんはほんの少しだけフリーズした後に一気に肺に空気を吸い込んだ。



「今日ここまでは何で来たの。通勤中大丈夫だった?身の回りでおかしいこととか無い?住んでいる家はオートロック?視線や気配を感じたりは!?」




吸った息を目一杯使って捲し立てるコナンくん。コナンくん自身もカウンターの椅子の上に膝立ちになって身を乗り出している。

声のボリュームが大きくなって、店中の…とまではいかないけれど、周りの人の視線が集まった。



あまりの気迫に豆を挽く手も思わず止まる。

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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません???? (8月19日 18時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね!続き楽しみにしてます!頑張って下さい!! (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました!続きが気になりすぎます!! (2023年5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです!感想もありがとうございます。これからの励みになります! (2023年5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します!ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます! (2023年4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お話仕掛け人 | 作成日時:2022年8月10日 17時

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