cIerk (ページ2)

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No.001 ページ2

昔から…
期待を寄せられる自分が、
嫌いで仕方なかった。

何でも出来る…
そういう自分が大嫌いだ。

そのせいでみんなから、
いい目で見られて…。

何にでも期待を
プレッシャーへと変える親が嫌いだ。

人を手駒の様に使い、
用が済んだらお払い箱。

ちょっと裕福だからって…
直ぐ図にのって…。

だから、

私は…捨てられる前に

自分から家を出た。

でも、

今まで独りで生活なんて
したことがなかった。

親が毎月私の通帳に
100万円を注ぎ込んでくれていたから
最悪…空腹になることは無かったけど。

それでも家の家賃とかでお金を消費すると思えば不安が沸き上がってきた。

　

『どうしよ…』

と……
誰も居ない公園のぶらんこに腰を下ろす。

どうしよ…。

家を出てからの事は何も考えてない。

正直に言ってヤバい。

　

『はぁ…。』
　

なんて溜め息をひとつ吐いた。

-プルプルっ。-
　

『…!……紡…?』

鞄に入っていた携帯の着信音が鳴り、お母さんかな…と思いながらもしぶしぶ携帯を取った。だか、画面に映っていた着信通知の名前を見ると…映っていたのは幼馴染みの小鳥遊紡の名前だった。