▼ Episode 11 ページ12
「オーディション!?」
「どういう事ですか?私たち7人で、デビューするんじゃないんですか?」
「ごめんなさい!本当にごめんなさい……!」
『…』
あの後、紡ちゃんが落ち込んだ表情でレッスン室に戻ってきた。
ああ…社長から聞いたんだ。
“4人落としてくれる?”
“売れそうな3人を選ぶんだよ。”
『…』
「Aさんは…知ってたんですか?」
『…うん。…聞き間違いだと思ったけど…』
紡ちゃんがあの焦りようだ。
聞き間違いじゃないことはわかる。
「…そんな」
「……オーディションか……。
Aちゃんとマネージャーを責めても仕方ないよ。……わかりました。
オーディションの準備をします。」
「OH……。
昨日の味方はエルミーです……。」
「あんたらのうち4人、今日でさよならか。」
「なんで自分は受かる前提なんだよ!」
「受かりてえし。受からなかったら
つーちゃんとずっと一緒に居られねえし…。」
「……オレだって……。
絶対に……、絶対に、ステージに立たなきゃ……。(オレもAと一緒に居たいし…!)」
みんな…。
『……ごめんなさい。急な変更をしてしまい…』
「本当にごめんなさい!!」
「仕方ありません。ですが、
信頼関係がひとつ失われたことは、しっかり自覚してください。Aさん、あなたもです。」
『…!』
「あ……。」
冷たく言い放されたな…。
「そんな冷たい言い方……。
やむを得ない事情があったんですよね。
A…マネージャー。」
「あなたは遊びに来たんですか。
これはビジネスですよ。
彼女たちはビジネスパートナー。
ステージに立っている間、
安心して背中を預けられる人でなければ、
顔も名前も許せません。」
「ビジネスってそんな……。
一織は高校生だろ?
大人ぶって背伸びしなくたって……。」
「あなたは幼稚園児みたいですね。」
「は!?」
「にこにこ手を繋いで、
お遊戯の後お昼寝して、先生に花丸貰えば幸せですか?」
「……っ、ちょっとおまえ、
年上に対する口の利き方っていうかさ……」
「おまえって言いましたか。」
と、陸と一織くんの言い合いはどんどんヒートアップしていった。
「こら!止めろよ一織。
ごめんな、口の悪い奴で……。」
「ほら、陸くんも落ち着いて。」
そこで2人の間を割って入るように三月と壮五さんが止めに入ったから幸いにも最悪の事態までには至らなかった。
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作者名：るみえーる | 作成日時：2018年8月6日 13時
