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｢いいのよお金なんて。ここに来る度、お話し相手になってくれるお礼とでも思って受け取って｣
ね？ と微笑まれてしまい断るに断れなくなってしまった。手に乗せられたチケットを受け取り、お礼を伝える。
演劇を観るのは大学生の時に行った文化祭以来だ。頂いたチケットをもう一度見る。
｢題目は……、『天使を憐れむ歌。』｣
題目から推測するにシリアス系の演目かな。シリアス系なら、彼の……月岡紬さんの繊細な演技が似合いそう。月岡紬さんが出るかも知らないのにそんなことを考えてしまう。
｢ふふっ、喜んでもらえて嬉しいわ。Aちゃん、今日この辺で御暇するわ。珈琲ご馳走様｣
｢こちらこそチケットありがとうございます！ またのご来店お待ちしております｣
お客様が見えなくなるまで見送る。
この空間に私1人だけになってしまった。テーブルに残されたカップを片付けながら、また演目のことを考える。
｢MANKAIカンパニー、か｣
最近MANKAIカンパニーさんの名前をよく聞くようになった。お客様の中でもMANKAIカンパニーさんの公演を観て、其の足でここへ来店した方もいらっしゃった。笑顔で公演の感想を言い合っているお客様を思い出し、頬が緩む。
｢観るの楽しみかも｣
エプロンのポケットに入っているチケットを上から撫でる。
さて、自分の業務に戻らないと。
嬉しさで緩んでいる頬に活を入れ、残りの洗い物を済まし、店内を丁寧に清掃した。
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みんとねこ。(プロフ) - keyさん» たくさんの作品がある中からこの作品を見つけてくださりありがとうございます。只今諸事情により更新が滞っておりますが、解決次第更新速度を上げていこうと思っています。更新を楽しみにしてくださり本当にありがとうございます！ (2017年11月26日 18時) (
レス) id: 574fff917a (このIDを非表示/違反報告)
key(プロフ) - 綺麗な表現と、自然なお話の流れにいつの間にか読み切っておりました。素敵な作品をありがとうございます。また更新いただける日があれば、楽しみにしております！ (2017年11月24日 0時) (レス) id: fcdbe1e585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんとねこ。 | 作成日時：2017年10月13日 20時
