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ーーーその日の晩


寝返りを打とうと身体を動かそうとしたところ背中に違和感を覚え目を開いた。


「 ん?」


どういう状況か、俺の目前にはアズールの顔。 違和感の原因は彼の腕だった。 寝惚けているのか、なぜ同じベッドで寝ている。


「 起きろアズール。 ここはお前のベットじゃねーぞ」

「 うるさいですね、そんなこと分かっていますよ」

「 ……は?」

「 マリモでも食べて静かに寝てなさ……」



どうやらまた寝言らしい。 むにゃむにゃと口を動かしながら、腕の力を一切弛める気はない様子。

寝返りは打てないものの眠れないことはない。 ならばこのまま大人しく時間になるまで寝て待とう。



「 朝起きたら飯強請ってやる」




***



産まれた時から身体は大きく、周りの魚達とは違う。 魚ではない、自分は爬虫類という部類に分けられるらしい。

全身硬い鱗で覆われて、大きく開く口に尖った牙は石をも噛み砕く。 海で泳げてもスピードは速くはない。



「 Aちゃん、この前亀を丸呑みにしてたんだよ」

「 Aちゃん、魚とか自分よりも大きい獲物を食べてるところ見た!」

「 怖いよね、私達も食べられちゃうんじゃない?」



全てが嘘ではなく全てが真実。 いつか食べてしまうかもしれない、食べられてしまうかもしれない恐怖心。


仲間以外は誰も怖がって近寄らない。 気づけばひとりが当たり前。 ワニの人魚に産まれたのに、女なのに。 男よりも男らしい体格が嫌いだった。 だから人魚の姿でいることをやめたら、何時しか仲間の中でも浮く存在になった。

人魚であるのにその姿を維持できなくなったから。 今ではもう思い出せない。 ワニの姿なら、もう性別なんて関係ない、自分らしくいられる。


好きなものを食べて好きなように暮らして、それでも一人であるという事の寂しさは、ほんの少しだけ心にチクリと引っかかっていた。

そんな時だ、アズールやジェイド達と知り合ったのは。


「 類は友を呼ぶ」変わり者には変わり者を。




「 このツボ、誰かの餌場だと思ったら君の物だったんだね」


ツボに身を隠して涙を堪えながら必死にノートを書き写すアズールと


「 僕に食べ物くれるの? ふうん、君等双子はなかなか親切だね」


好奇心に駆られて知り合った、ジェイドとフロイドと。



「 僕から距離を取らない奴もいるもんだな」

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作品ジャンル:ギャグ
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(プロフ) - 蒼井とーるさん» はじめまして、コメントありがとうございます!夢主イラスト可愛いと言って頂けて嬉しいです( *´꒳`*)ゆっくりではありますが更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年12月1日 18時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 夢主イラスト、とてもかわよくて推せます!性格も最高に面白くて大好きです!頑張ってください! (2021年12月1日 4時) (レス) @page5 id: f4c569577f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月29日 2時

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