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「 リドル、おまえいつも甘い良い匂いがする……美味そう」

「 ぶ、き、気味が悪いから僕の背後で唾を飲み込まないでくれないか?!」


同じクラスのA・ルルフは年がら年中腹を空かせているオクタヴィネルの暴食(グラトニー)
とにかくマイペースで無表情。 怒った顔どころか笑った顔すら見た事がない。

アズールやフロイド達と幼馴染なこともあってか、周囲からは近寄り難い存在。 だれこれ構わず涎を垂らしているから命の危険を感じるんだろう。 僕もその一人だ。


そんな彼が、食堂で騒ぎの中心になっていることを知り、慌てて止めに入る。



「 リドル、コイツ、おまえのとこの後輩?」

「 ああ、そうだ……下ろしてやってくれないか」


普段は大人しい黄色の瞳がガラリと変わって金色に光っている。 ビリビリとした波長を放っていて、嫌な汗がじんわりと出てくる。

彼が掴みあげているのは、1年生の新入生だ。 その手の中には購買部で売られているパンが。



「 下ろさない理由はねーけど、下ろす理由は?」

「 そ、それは……僕が後輩と話をつける」

「 で? 」


取られたことに対しての怒りではないのか。 リドルは考える。 今にも彼は後輩を頭から丸呑みにしてしまいそうな勢いで、ただ、上手く宥められるスキルもない。



「 リドル寮長! こいつ、 頭やっべーすよ!」

「 死人に口なし……罪人にも、口はなくて結構だ」

「 うわっ?!」



掴んでいた手を離されて盛大に尻もちをついた彼は、冷ややかな視線で見下ろすAを睨みつけた。



「 いい度胸してんなおまえ。 人の物に手を出しておいて嘘つけるんだもんなぁ?」



俺は食べ物を横取りされる以外、食事の時間を削られるのも邪魔されるのも心底不快だ。 食ってやろうか、その常識知らずの頭ごと。

イライラする、腹が立つ。 感情のボルテージを上げてはならないと言われていたが、今回ばかりは見逃せアズール。



「 ーーー落ち着いてください、Aさん」



背後からジェイドの声がして、視界が遮られる。
そこで漸く、Aから漏れ出ていた殺気が静まった。



「 金魚ちゃん、そこで尻もち着いてるやつ連れて早く食堂から出てってくんね?」

「 ……あ、ああ。 済まない」



フロイドに言われた通り、座り込んでいた後輩を立たせると早急に食堂を後にする。 面倒くさい貸しを一つ作ってしまったが、今回ばかりは救われたとため息を零した。

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作品ジャンル:ギャグ
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(プロフ) - 蒼井とーるさん» はじめまして、コメントありがとうございます!夢主イラスト可愛いと言って頂けて嬉しいです( *´꒳`*)ゆっくりではありますが更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年12月1日 18時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 夢主イラスト、とてもかわよくて推せます!性格も最高に面白くて大好きです!頑張ってください! (2021年12月1日 4時) (レス) @page5 id: f4c569577f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月29日 2時

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