scene 2-1 ページ5
3月18日 16:39 in 商店街
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《莇side》
今日は珍しく、放課後に太一さんと一緒にメイク用品の買い出しに来ていた。
秋組の中でも歳が近い太一さんとの会話は恋愛話以外はとても楽しく、最近はよく一緒に帰ることがある。
買い物も終わった帰り道、目の前から見覚えのある青色の髪の毛の男性が歩いてきた。
「紬さん」と呼ぶと、向こうも俺たちに気が付いたらしく、こっちに走ってこようとした。
しかし、足を怪我しているせいで危なっかしい歩き方だった。
俺たちの近くまで来たその瞬間、紬さんが転びそうになった。太一さんがとっさに駆けつけ、紬さんを支えていた。
「紬さん!危ないっス!怪我を悪化させたら、また丞さんに怒られるっスよ!」
「あはは…太一くんありがとう。危ないところだったね。このお礼と言っては何だけど、今からカフェに付き合ってくれない?」
唐突なことを言う紬さんに少し驚いたが、学校帰りの学生の正直な腹の虫が鳴いた。
「お腹が空いてるみたいだね。よし、行こうか」
俺たちは紬さんと共にカフェに入って行った。
紬さんは他の劇団の客演で忙しい丞さんの代わりに買い物に来たらしく、ついでだから気になっていたカフェの限定メニューを食べに行こうとしていたらしい。
カフェでは、1時間ほど滞在して、宿題をを教えてもらったり、噂の本の話に花を咲かせていた。
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作者名:ルクリア | 作成日時:2019年5月16日 15時