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そんな大ちゃんの態度と昨日の阿部ちゃんの言葉に安心してた私はやっぱり馬鹿だったのかもしれない。


「それでね、そのバイト先の友達がさ…」


最近よく出てくる、バイト先の友達の話。


なんでも、その子は料理が上手くて気が利いて優しい人みたい。


私、料理なんてからきしだし。


気が利く…ってほどでもないし。


そんな女子力の塊みたいな子、適わないもん。


だけどそんな私のことなんて気づかずに話を続ける大ちゃんは楽しそうで。


このまま、その子の彼氏になっちゃうのかなあ、って今まで感じてなかった焦りを抱く。


…このままじゃダメだ。


のんびりといつか付き合えるだなんてぼんやりしてるから、いつまでも付き合えないんだ。


告白、してみようかな。


もし振られた時のことを考えるとその後が気まずいけど、大ちゃんは優しいからそのうち友達には戻れる…はず。


…ていうか、気まずくなるのが嫌で渋々付き合うの了承されたらどうしよう。…それは申し訳ないし、そしたら告白しない方がいいのかな…


「あれ、聞いてる〜??」


『……』


「も〜、聞いてるでやんすか!!」


『…あっ、ごめん、考え事してた』


いけない。すっかり大ちゃんと話してる途中だったの忘れてた。


むう、と子供みたいに拗ねて全然話聞いてくれない〜とか言ってる大ちゃんは、私がこうやって悩んでることなんか気づいてないんだろうなあ。


『ねえ、大ちゃんってさ、』


そんな大ちゃんをお構い無しに


"好きな人いるの?”そう聞こうとして口を開きかけるけど


「ん〜?なに〜?」


拗ねるのをやめて私の顔を覗き込む瞳と目が合うと、やっぱり、


『ううん、なんでもない』


聞くことが出来ない。


これはまた、阿部ちゃんに相談だなあ。

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作者名:Noa | 作成日時:2020年8月15日 7時

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