ツルニチニチソウ(桃) (ページ3)

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授業中、隣を見るとぐっすり寝てる姿が。

『も〜、大ちゃんいつもすぐ寝るなあ』

手を伸ばして、ほっぺたをツンツンしても彼は全然起きない。

元からお目目くりくりでリスみたいにかわいいけど、寝てる顔って幼くて更にかわいいんだよね。

『……仕方ない、ノートとってあげよ』

後で「ごめん！ノート見せて！」って言われることを想定していつもよりきれいな字でノートをとる。

「Aちゃんってめちゃめちゃ佐久間に甘いよね」

っていつだったか阿部ちゃんに言われたけどそんなこと気にしない。

だって、普通に起きててちゃんとノートとる大ちゃんばっかりだとこのかわいい寝顔が見れないもん。

まあ、さすがに連続すると怒るけど。…なんて。

「わ！寝てた！」

授業後、チャイムの音で慌てて起きた彼はキョロキョロと周りを見てから私と目を合わせて。

「俺どれくらい寝てた？」

自覚がないくらいぐっすりだったの？

『…ん〜、結構寝てたねえ』

「うわ〜…また寝ちゃった。……あの、Aさん」

『はい、なんでしょう佐久間さん』

「ノート見せていただけませんか」

案の定そういう大ちゃん。ノートは貸すつもりで準備したからすぐに渡せるんだけど、ちょっと意地悪したくて。

『え〜、どうしようかな』

「お願い！後でいちごミルク奢るから！」

困って焦ってる姿がかわいいから、つい焦らしちゃう。

『…貸しましょう』

実はそんなことされなくても貸すんだよ、って言うのは秘密。

だけどちゃっかりいちごミルクは奢ってもらいました。