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『じゃあさ、あのツルニチニチソウは?』
ふと思い出した、あの日くれた栞。
「え、ツルニチニチソウがどうかしたの?」
あの花気に入らなかった?と少し不安げにそう聞かれるから、
そういう訳じゃないんだけど、と前置きして。
『大ちゃんは幸せな意味ばっかりって言ってたけど。生涯の友情とか、なんか…私たち一生友達なのかと思った』
って本音を伝える。
「えっ、あの花そんな意味あったの?うわ〜!それはごめん!」
知らなかった、と申し訳なさそうに謝る彼。
『え?でも他も幸せな意味ばっかりだよって』
そう言ってたよね?と聞き返せば
あ〜、と困ったように笑う。
「ごめん、ちゃんと調べてなかった」
その友達が、幸せな花言葉がたくさんなんだよって言ってたから…と
気まずそうに告げられる。
『なにそれ!私あれで悩んでたのに〜!阿部ちゃんにも相談したもん』
「…あ!もしかしてあの日阿部ちゃんと電話してたのって…」
『…そうだよ。阿部ちゃんは佐久間のことだからそんなことまで考えてないよって言ってくれたけど』
「それさりげなくディスってない!?…いや、まあ実際そうなんだけど」
そういった彼と、2人で顔を見合わせて笑う。
「まあ、でも、こうして付き合えたからいっか」
『…だね』
「ツルニチニチソウさ、」
『ん?』
「俺たち、付き合っても幼なじみなことに変わりはないから。栞は使ってね」
『うん!』
楽しい思い出。幼なじみ。
確かに、幸せな意味ばかりだ。
あのかわいい花は、今なら私も好きになれそう。
「…好きだよ」
『うん、私も』
私たちの楽しい思い出は、これからもきっとたくさん増えていく。
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作者名:Noa | 作成日時:2020年8月15日 7時