クラスに国王様が来る【アンダーバー】

修学旅行 ページ30

寝ぼけ眼を強く擦るトモ。彼は、この良き日に、朝から汗をかいていたのだった。

「本当にマジキチだわ……普通修学旅行の出発前に朝の部活をねじこむか!?」

ガチ勢ともいえる、彼のサッカー部は、修学旅行が当日であったとしても朝部活をさせるような部活であった。
そのためか、トモは既に疲れたように座席に深く座っていた。
一番後ろの席であったため、周りを気にせずに体を伸ばしていた。
隣にはいつもの皆がいたが……

「ちょ〜と〜！アタシの綺麗なお膝に足を乗せないでよ！」

アンダーバーが、膝上に乗せられた足の靴下を摘まみあげ、足ごとどかそうとする。

「ちょっ、アンダーバー……やめてくれ。この体制が一番楽……」

「アタシが楽じゃ無いわよ！！」

「……とにかく、リクライニングを倒そう」

買い換えたのか、新しい眼鏡をかけているカイは、いつもとは違い、少し笑顔でトモに言う。

「お前、いつもは何考えてるのか分からない顔してるけど、今だけはよく分かるぜ？楽しんでるだろ？」

トモの言葉に図星を疲れたのか、うつむいてしまう。それでもやっぱり楽しそうにほくそ笑むようにしている。

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