僕の気持ちも知らないで_fkr ページ1
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『ふくらさん〜…眠いです…』
Aちゃんが眠たそうに目を擦りながら僕の方に歩み寄ってくる。
｢隣の部屋、今日はもう使わないからそこで寝てな？｣
一応旧オフィスに置いてたソファが僕の目の前にあるんだけど、Aちゃんにそこで寝てしまわれるとちょっとキツい。
…さすがに気になってる女の子に目の前で寝られたら心臓に悪いでしょ？
『んー…』
僕が隣の部屋を勧めた声が聞こえているのか居ないのか、眠たくて拗ねている子供のような声を出してAちゃんがそのソファにうつ伏せに倒れ込み―――
｢あ、Aちゃん！？｣
瞬時にすうすうと寝息を立てるAちゃん。
―――…やばい、寝ちゃった。
こんなにすぐ寝てしまうってことは起こすべきじゃないだろうし、タオルケットでも持ってきた方がいいかなと俄にパニックになっていると、
｢ふくらさんー俺帰るー。｣
｢あ、伊沢…どうしよ｣
伊沢が帰り支度を済ませて僕に話しかけてきたので振り返って救援要請。助けて伊沢。
｢何？珍しいね慌てるなんて。
…あ、こりゃ完璧に寝てるなAちゃん｣
伊沢がいうには、彼女は昨日まで試験だったらしい。まあ疲れて寝ちゃうのも無理ないか…
とは言っても、伊沢が帰れば僕とAちゃんで2人きり。さすがに女の子1人オフィスに残す訳には行かない。しかし一緒に泊まりコースも出来れば避けたい。だけど起こすのは忍びなくて――
｢あ、電車やばい。俺明日早いんだわ、お先、ふくらさん｣
えっ伊沢帰るの！？いや仕事、うん、仕事があるなら仕方ない。2人きりになるのも嫌なわけじゃないしむしろ嬉しい、けど。
また明日ねー、と飄々と帰る伊沢。
｢お疲れ様…｣
…困ったなぁ。
『んー…』
後ろから声が聞こえてソファの方を見ると、唸り声をあげるAちゃん。
起きる…？あ、寝返り打っただけだ。寝てる。
寝返りを打ったおかげで彼女の寝顔がこちらに向いている。少し気が引けたけど近づいてみると、…肌綺麗だな。睫毛も長い。すっと通った鼻筋とバランスが良く少し開かれた唇が愛らしくて。
｢かわいい…｣
だめだめだめ、仮にも社員。変な気を起こすなんてあっちゃいけない。
…でも、なんだか無防備な彼女の寝顔を見ているとやっぱり起こす気も無くなってきてしまう。やっぱり泊まりコースだな、別室で。と思いながらAちゃんの顔に掛かった髪をはらった。
｢おやすみ、Aちゃん｣
(僕の気持ちも知らないで side:fkr-fin-)
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ランドリーはさみ(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます…！修正致します。 (2019年8月4日 22時) (
レス) id: 4313dcd1c6 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月4日 22時) (レス) id: 9ac913b464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランドリーはさみ | 作成日時：2019年8月4日 22時
