東海放送局〜氷のお姫様〜

久々の感情。 ページ26

虫眼鏡side

A「うっ...怖かった...っ。怖かったよ...」

初めて見た。泣き顔。こぼれ落ちる雫。
今まで、我慢し、忘れていたのだろう。

虫眼鏡「もっと、泣いて。我慢しなくていいんだから。」

しばゆー「よく頑張ったよ。Aは。」

としみつ「もっと頼ってよ。俺達に。」

りょう「遠慮なんていい。我慢なんてしなくてもいい。」

ゆめまる「思いっきり泣いたら、清々するよ。」

てつや「俺達は、Aの全部。受け止めるから。」

全員が、今、同じ気持ちだろう。

『Aを、守ってやりたい』

A「ありがとうっ...！みんなっ...ひっく...」

こんなにも綺麗な涙を流す人は、
今まで見たことなかった。

凍っていた分の氷が溶け、
水となって頬を伝い、こぼれ落ちる。

その様はあまりに綺麗で、美しかった。



影狼「うっ...くっ...」

その時、影狼が意識を取り戻しはじめた。

てつや「俺らはね、Aが大切なんだ。大切にしたいんだ。だから、身を引いてほしい。Aを傷つけるくらいなら。」

影狼「...やっぱ...かなわ、ないな...。後悔したって、後の祭り。身を引くよ。」

ずるずると起き上がり、

影狼「幸せになれよ...？A。じゃなかったら、また奪いに行くからな...。」

とだけ残し、立ち去った。

6人との絆。→←6色の希望の光。

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