8.指輪 ページ8
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「まあ見つかるんとちゃいます？その人」
一通り話し終えた後、村上さんはそう口にした。
「俺もそう思う」
隣でヤスも頷く。
待って、なにこの人たち。なんなんその自信ありげな顔。
俺の話のどこをどう理解したらそんな表情ができるん？
「何故そういったお考えに？」
聞いたら、「ただの勘や」って村上さん。
...なんなんそれ。
こんだけおっきいビル構えてるもんやからもしかしたらほんまに見つけてしまうんちゃう？とかちょっとは思ってたけど、実際そんなこと全然なくて。
"勘"やって。
まあ、そらそうですよね。夢の中の話やもん。
一瞬でも信じたのが阿保やった。
「はあ、わかりました。もう帰ります。お付き合いいただきありがとうございました」
半ば呆れながら腰をあげると、あぁちょっと待って、って声がかかる。
「ちょっと大倉さんに渡したいモンがあってん」
言いながら村上さんはスーツの内ポケットから鍵を出すと、部屋の隅っこに置かれた金庫らしきものに差し込んだ。
その中から手のひらに収まるくらいの小さな箱を手に取って、俺の前に差し出す。
受け取った形は、今までに何度か見たことがあるものだった。
...リングケースだ。
「どうしたんですか、コレ」
「開けてみ」
言われた通り両手で箱を上下に開くと、ひとつの指輪が差し込まれていて。
えっと、なんでコレを俺に？お土産的な？
困惑の思いで村上さんを見上げると、
「いずれ意味がわかる」
って。
ちょっとまって、ほんまに意味わからんって。
なあヤス、これどういうこと、って...いない。
「ヤスならさっき電話するって出てったで。そこの廊下におるやろ」
は？いつのまに？
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ん。 - 初めてコメントします！続き楽しみにしています。 (2020年6月3日 9時) (
レス) id: b4097d8bee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Loveit | 作成日時：2020年4月15日 18時
