きっと、きみに伝えたいことがある（緑×橙） (ページ2)

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2.ヤスページ2

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マンションを出ると、フロントの前に見慣れた車が停まっていた。

「20分遅刻ですよ」

「ごめんな、ちょっともたついてん」

「同じこと昨日も言ってましたよね」

はあ、と呆れたようにため息をつくマネージャーにもう一度謝ったところで車は発進した。

俺は数年前からモデルの仕事をしている。

といっても最近はテレビにも出させてもらえるようになったし、CMのお話もいただいてる。

正直駆け出しとしては順調すぎるほど上手くいってて、はじめは後先不安やったけどこのままなら問題なく生きていけそうやな。

「大倉さん、起きてください」

いつの間にか眠っていたらしい。マネージャーの声で目が覚めて、目的地に着いたと気付く。

今日は雑誌の撮影で都内にある小さめのスタジオに呼ばれていた。

「おーくら、久しぶりやね」

建物に入ってすぐに声をかけてきたのは、カメラマンのヤス。高校のときからの友人っていうのもあって、もうほぼ俺の専属カメラマンになりつつある。

フリーランスやけど持ち前のセンスと社交的な性格からか、毎日忙しいってくらいに仕事の依頼は絶えず来るらしい。

「久しぶりって昨日も電話かけてきたやんか」

「やって暇やったんやもーん。相談したいこともあったし」

そう言ってヤスはコロコロといたいけな顔で笑った。