恋か、否か (ページ4)

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Side of Name

『…お邪魔しま〜す』

湧母「あら〜！Aちゃんいらっしゃい」

『またお邪魔します〜』

湧母「本当に湧がいつもごめんね？」

『いえいえ…私の方が湧に沢山助けて貰ってるので…』

湧母「…Aちゃんが湧のお嫁さんだと思ってたんだけどね…」

『…恋愛禁止法、ですよね』

湧母「あんなもん気にしないで！本当に湧の事を好きでいてくれるなら法律破ったって側にいてあげて！」

『湧ママ…』

湧母「いざとなれば理由付けて国外逃亡でもすればいいと思うのよね〜」

『国外逃亡って…！』

湧母「あくまでも"いざとなれば"の話よ！」

『まあ最終手段、ですけどね…』

湧母「…うちの子供たち皆が男でしょう？」

『そうですね…』

湧母「Aちゃんの事を昔から娘みたいに思ってたの。だから湧と結婚して欲しいと思ってて…」

『……私だって…』

湧「ただいま〜、ってまだ玄関に居たの？4月になったとはいえまだ冷えるんだから早く中入ってろ」

『…うん、ありがとう』

・

湧「ほい」

『ありがと、湧』

湧「ん、…A？」

『うん？どうかした？』

湧「Aはどう思った…？」

『恋愛禁止法？』

湧「おう」

『最初はアホらしいなと思ったけど…逮捕者が出たって聞いて冗談とか言ってられないんだなって…』

湧「何かさ…俺の友達にもいんだよね、政府通知届いたやつ」

『え…？』

湧「好きな子が居て…でも政府通知が届いたせいで破局しちゃったんだ…」

『…つらいね』

湧「…まだ好きらしいんだけどな」

『元カノさんの事？』

湧「そう、でも親に強制的に別れさせられたって」

『…どうにかならないのかな』

湧「…こればっかりは法律だからな、破ったら即逮捕だし」

『そうだよね…』

湧「どうにもならない事も世の中にはあるって」

『うん…』

湧「…ほら、勉強すんぞ」

『…だね』