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『…もうすぐ、帰んなきゃいけないでしょ』
心臓がこれでもかというほど暴れ回る。
あの後連れてこられたのは、ずっと別々で寝ていたはずのやまとのベッド。
座らされて彼は後ろに回る。
さっきは前からの圧。今は、後ろからの温もり。
顔が非常に熱くなっていた。
『俺、ほんとにここにずっと居ようかと思った。
携帯見なけりゃ言葉も届いてこないし、海見てりゃ自分の状況も立場も忘れられたし
Aはコムドットじゃなくて俺のそばに居るし』
『他になんもいらない。あんだけ一生懸命にやってきた仕事も、あいつらのことも忘れる気だった』
『俺ね、Aだけそばに居てくれればよかった』
やまとの気持ちがこうして話されるのは初めてだ。
整理をつけられたということは即ち、ここに来た意味はあったのだ。
体温がすっと引いていく。
『自分の命も一緒に懸けろって言われた時、Aに俺が言ったこと思い出した』
『あの頃…ただAに居なくなって欲しくない一心で俺も死ぬとか言ったなって。
今目の前でしがみついて泣きそうな顔してるAは、あの頃の俺と同じなんだと思った』
毎日海に行くのは、何も考えないようにするためなのだと思っていた。
でも違った。
逆だったんだ。
『Aは仕事してる俺、好き？』
｢…好きだよ｣
それ以外のあなたも全部。
『…こんなやつがコムドットのリーダーでいい？』
｢やまとしかいないでしょ｣
『………俺は、生きててもいいかな』
なんで後ろに回ったんだろうと疑問だった。
その謎がとけたよ。
窓に映る、唇を噛み締めて今にも泣きそうなほど弱々しい表情のやまと。
その姿を見られたくなかったんだね。
｢堂々としててよ。やまとの周りは全方位あたしたちが守るんだから｣
大丈夫だから。
左肩に寄せられた頭を撫でれば、ズビッと可愛くない鼻をすする音が聞こえた。
あーあ、結局泣いてんじゃん。
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яeu(プロフ) - ららみさん» ご愛読ありがとうございました。ありがたいお言葉をいくつも並べていただけて大変嬉しく思います。新作を出した際にはぜひ覗きに来てください☺︎ (7月31日 19時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ららみ(プロフ) - めちゃくちゃ好みど真ん中のお話で毎日更新されるのを楽しみにしていました😵💫💞完結は悲しいですがお話が素敵すぎて幸福感でいっぱいです、、！💘💘💘次のお話も楽しみにしています🫶🏻💓 (7月31日 0時) (レス) @page45 id: e947e550b2 (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - おりさん» ありがとうございます。ゆっくりではありますが確実に更新していきたいと思っております。 (7月13日 8時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。ご自身のペースで更新頑張ってください！ (7月12日 21時) (レス) @page25 id: 7292fb39fb (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - meloさん» 線香花火も読んでくださったのですね、随分時間が空いてしまったのにも関わらず読んでくださることに感謝です。ありがとうございます。 (6月28日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：яeu | 作成日時：2023年6月19日 20時
