なにか、きっかけを ページ29
その日は、まだ陽の沈む前だった。
学校帰りであろう制服を着た女子2人と
海岸で犬を散歩させているおじいちゃんが1人。
観光シーズンでもない平日のこの時間はこんなもんなのかもな。
内陸部の人間からしたら毎日でも見に行きたい景色だけど。
一応変装としてバケハを深く被ったやまとは、若い女子2人を警戒している。
困ったことにウロウロ動き回るものだから、近づいてくると自然と体が強ばった。
あの年代…いや、女は何歳になってもそうか。
特にあの年代特有のキャーキャーと耳につく声が
聞く気はなくても脳内に流れ込んでくる。
｢今頃何してんのかねえレイナの旦那は｣
やまとはボーッと海を見ている。
夕陽に照らされ、オレンジに輝く海面を。
｢やめて、ばっかしんどいから｣
｢強そうに見えたけどねぇ、やっぱ人間だったんだな｣
｢なしてほかのメンバーは気づかんかったん｣
ねぇ、なんでそう大きな声で話すの。
そりゃあその張本人がここにいるとは思わないだろうけど。
聞きなれぬ方言がより一層生々しいし。
でもそんなあたしの心配を他所に、彼はすくっと立ち上がった。
まさかと思い慌てて立ち上がる。
動き出した長い脚は、まっすぐに彼女達の方を目指していた。
｢ちょっ、ちょと…おにーさん、それはまずいから｣
『……いーんだよ』
いいわけねーだろと必死で腕を引っ張るが、足場の悪いここじゃほぼ無力。
さく、さく、と進むやまとにずりずり流されて
ついには彼女たちのすぐ背後に。
『ねぇ』
びくっと肩が揺れる。
先に振り向いた｢レイナ｣が断末魔のような悲鳴をあげた。
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新潟の方言が分からないので、修正点優しく教えていただけるとありがたいです。
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яeu(プロフ) - ららみさん» ご愛読ありがとうございました。ありがたいお言葉をいくつも並べていただけて大変嬉しく思います。新作を出した際にはぜひ覗きに来てください☺︎ (7月31日 19時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ららみ(プロフ) - めちゃくちゃ好みど真ん中のお話で毎日更新されるのを楽しみにしていました😵💫💞完結は悲しいですがお話が素敵すぎて幸福感でいっぱいです、、！💘💘💘次のお話も楽しみにしています🫶🏻💓 (7月31日 0時) (レス) @page45 id: e947e550b2 (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - おりさん» ありがとうございます。ゆっくりではありますが確実に更新していきたいと思っております。 (7月13日 8時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。ご自身のペースで更新頑張ってください！ (7月12日 21時) (レス) @page25 id: 7292fb39fb (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - meloさん» 線香花火も読んでくださったのですね、随分時間が空いてしまったのにも関わらず読んでくださることに感謝です。ありがとうございます。 (6月28日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：яeu | 作成日時：2023年6月19日 20時
