励まし ページ49
-東雲真美side-
侑に全部言った。
侑は今までに見たことがない複雑そうな表情をしていた。
普段なら「なんで俺に言わんねん！」って言いそうなのに。
流石に衝撃が大きすぎて整理ができなかったのかな？
さっきの出来事を考えながら家に帰っていると
ピロン♩
電話がかかってきた。
相手は侑だった。
「もしもし」
侑「真美…あの時くれた絵はもしかしてやけど」
聞きたいことは何となく分かった。
「そうだよ。Aが描いた。捨てていいよって言われたけどだめだと思って…まだAの目が見えてた時に部活中のところをこっそり覗いて描いたって言ってた。」
侑「っ…」
鼻を啜る音で侑が泣いてることが分かった。
「今まで黙っててごめん。でもAはAなりに侑を陰ながらサポートしてたことにもなる。それだけは分かって」
侑「…おう｡俺、やっぱりどうしてもAが好きや」
「それ、私じゃなくて本人に言ってやりなよ笑じゃ、応援してるから」
☆宮侑side☆
鞄の奥から出てきたくしゃっとした千切られたノートの紙。
あの時真美から御守りとしてもらった俺のイラスト。あの日以来カバンの奥にしまって放置していたがよく見てみると“大好き“と書かれていた。
普通はストーカーとか、怖いって思うかもしれへん。でも何故かそんなことはまったく感じない
何となく真美に電話した。やっぱりあの絵はAが描いたことが分かった。
まだ目が見えていた頃に、部活中の俺をこっそり覗いて描いた。
後悔が押し寄せる。目の前で見せたかった。見てほしかった。
真美に励まされ、この気持ちをAに直接伝えようと決意した。
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作者名：うぃるうぃる | 作成日時：2022年1月15日 23時
