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『ねぇ、侑くんってと東雲さんってずっと一緒?』
体育が終わってみんなに聞いてみる。
みんな気まずそうな顔をする。
ル「あのね、A、確実に周りは二人は付き合ってるって勘違いしてる」
み「大丈夫!うちらは付き合ってないって信じてるから!」
『ありがとう(*^▽^*)ちょっとトイレいってくるね』
愛「いってら〜」
『...ゼェ...ゼェ...ゴホッゴホッ...ゲホっ...ハッ...ハァ...』
やばい...痰がめっちゃ喉に絡んで苦しい...息が...できない...
こんな酷いの休んでる時はなかったのに...
息をするのに必死で目が涙目になる
誰か...助けて...
トイレに入ろうとすると
侑「おい。Aちゃん」
あの時、私が知らない3年生に絡まれた時みたいに低い声で
侑くんが後ろから声をかける。
悪いけどそれどころじゃない。
『な...何...』
必死に何でもないように平然としたふりで答える。
侑「最近俺の事...さk『ゲホっ...ハァッ...ゴホッゴホッ』
もう無理、我慢できない。私は息苦しさで倒れ込んだ。
侑「Aちゃん!?おい!大丈夫か!?」
どれだけ咳をしても苦しいだけ。
『お願い...もう...ゼェ...わ..私のこと...ほっといて...し、東雲さん...心配する...ゲホッ...私は...一人で...何とかするから...ゴホッゴホッ』
私の背中をさする侑くん。
ダメ...そんなことされたら...余計に侑くんが好きなこと諦められなくなる
侑「アホ!今Aちゃんが苦しんどるのにほっとけるか!Aちゃんが今にも死にそうやのに...」
どうして、そんなに泣きそうな顔するの?そんな顔、さっき東雲さんが倒れた時にしたら良かったでしょ
侑「とりあえず保健室行くぞ。ほら」
『...?ゲホッ』
侑くんが私の前でかがむ。
侑「ほら、乗れ。動いたら余計悪化するかもやろ」
え、おんぶ...?無理無理無理
でも助かる方法はこれしかなかった。
じゃあこれが最初で最後。
侑くんに甘えさせてもらうね。
『ありがとう...ゴホッゴホッ』
侑くんの背中は大きくて、温かかった。
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作者名:うぃるうぃる | 作成日時:2021年8月29日 23時