舞台裏*１(Noside) ページ46
(DDDが終った数時間後のこと)
「こんなところにいては体を壊しますよ。DDDではかなり無理をしたでしょう」
レッドカーペットのように真っ赤なバラを散らしながら歩く渉は、ガーデンテラスの椅子に腰掛けていた皇帝陛下へ笑いかけた。
一体誰が花弁を掃除するのやら、と思わなくもないが、どうせマジックで消えるんだろうな、と英智はひっそり思う。
「家から迎えの車が来るのを待っているんだ。また暫くは病床生活かな」
はあ、とため息を零して見せるけれど、その顔はどこか晴れやかだった。
「では英智のお迎えが来るまで世間話にでも花を咲かせましょう！ というわけで、お隣失礼しますね」
「返事は聞かないんだね」
「私たちの仲じゃありませんか！」
英智の隣に腰かけた渉は仮面の奥からそっと微笑んで、持て余したように長い足を組む。
「DDDのアンコールは凄まじかったですねぇ。思わず体が震えてしまいました！」
「そうだね。明星くんが今にも倒れそうな僕に向かって『アンコールを一緒に歌おう』って言ってきたときは、トドメを刺しに来てるな、なんて思ったけど。まさか全ユニットで歌うことになるとは……ふふ、本当に面白い子だ」
決勝戦のfineとTricksterの戦いは、英智の体調面も災いし、ギリギリのところでTricksterが勝利を収め幕を下ろした。
夢ノ咲の伝統として勝利したものはアンコールを歌う決まりなのだが、Tricksterの面々は『アイドル全員でアンコールを歌い上げる』という異例を成し遂げ、大いにファンを湧かせた。
もちろん余興を行ったAもお呼ばれした。感動やら達成感やらで人一倍、涙でぐしょぐしょだったけど。それも愛嬌にしてしまうのだから末恐ろしい。
「Aが舞台に上がった途端抱きついてきたときはさすがにひやひやしたよ。倒れるかと思った」
「私も腕を広げて抱きしめる準備はバッチリだったんですが、なぜか拒否されてしまいました。なぜでしょう？鳩アレルギーなんですかね」
日頃の行いじゃないかな。英智はそう思いつつ、面倒なことになりそうだなと察し、口を噤んだ。
「それより英智。なぜAくんに余興を任せたのか聞かせていただいても？」
「特にこれといった理由はないよ。言うならば気分かな」
「ふっふっふ、そうですか気分ですか。では、質問を変えましょう！あの注意書き、Aくんを"試すため"ですよね」
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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