前兆*３ ページ26
書類の束を抱えて、廊下を足早で走り抜ける。
こっちは命を狙われているというのに、トイレから出てきたところを佐賀美先生に捕まり、書類を生徒会室まて運んでほしいと(無理矢理)押し付けられた。あの怠慢教師め！いつか焼肉奢らせてやる！
なんて思考しながら生徒会室へ急いでいると。
「あ、ねえ！そこの君、ちょっとこっち来てくんない？」
「えっ。俺、ですか？」
渡り廊下に差し掛かったとき、見たことのない金髪のお兄さんに呼び止められた。両耳にピアスをバチバチに開けて制服を着崩しているその人は、新入生にはとても見えない。おそらく先輩だろう。
まさか俺の命を狙って……なんて少し身構えてしまったが。金髪の先輩のすぐ近くにもう一人いることに気がついた瞬間、そんなこと言ってる場合じゃないと悟った。
「蹲ってどうかしたんですか？！ まさか怪我？！」
黒髪にピンクのメッシュを入れたお兄さんが、お腹を抑えながら片膝を地面に付けていたのだ。
「うっ、うう。いっつ……」
「コイツ急に腹が痛いって言い出して。保健室に連れていきたいんだけど、俺一人じゃあ厳しいんだ。わるいけど肩を貸してくれないか？」
痛みに顔を歪ませる黒髪の先輩の横で、心配そうな表情を浮かべる金髪の先輩。よほど痛みが酷いのだろう。見ず知らずの俺に声に助けを乞うほどなのだから。
「わかりました、お手伝いします！」
緊急事態だ、と判断して、すぐさま二人の側に駆け寄った。
「助かるよ、ありがとう」
「困ったときはお互い様ですから！」
金髪の先輩にそう答えてから書類の束を小脇に抱えて、しゃがんでいる先輩の背中に手を回し、そっと肩を支えた。それからもう片側を金髪の先輩が支え、ゆっくりと立ち上がらせる。
「渡り廊下からなら、あっちから行った方が近道なんだ。さ、行こう」
はて。先輩が指さした方は、誰も使ってない教室や物置部屋なんかがあるだけだったような……？ いや、今はそんなことを気にしている場合じゃないな。
一刻を争う事態なのだから早く移動しなければ！
今一度支える腕に力を込めながら、目的の場所へと向かった。
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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