恩は驚きで返しましょう！*２ ページ8
「ふっふっふ。驚きましたか？私の手にかかれば造作もないことですが」
どうやらこれは日常茶飯事のことらしい。もう驚く気力すら湧かない。そんな俺を前に、変態は懐から取り出した赤い薔薇の花弁をトントンと叩く。
「ワン、トゥー、Amazing！！」
ポンッ。
「うわっ。また……って、うん？」
今度は花が消えたと思えば。そこから出てきたのは、なんと小さな鳩。
「なんですか、この子」
「さぁ、なんでしょう」
白い羽毛の鳩が、ぽてんとお利口さんに変態の肩に止まっている。
「見覚えはありませんか？」
仮面越しからでもわかるほど、自信満々に胸を張って鳩を差し出してくる変態。顔が腹立つ。
「見覚え？」
「えぇ」
「生憎ハトの知り合いなんて持ち合わせていないんですけど………っ、まさか！」
考えを巡らせていると、ふとお昼休みの出来事を思いだした。こんなこと信じたくないけれど。
「お弁当の唐揚げになった鳩の怨霊？！」
「違います」
「あ、竜田揚げでした？」
「料理から離れましょうか。なんですか、その物騒な鶴の恩返しみたいなやつは。復讐しにきてますよね確実に」
「違うのかぁ……」
でも、あの母親ならやりかねん。
公園に行けば鶏肉なんてすぐ手に入るわ、と包丁片手に笑っていた前科をお持ちだ。
「本当に記憶にないので？」
「はい、これといって。あとは鳩を助けたくらいで」
「そちらが先に思い浮かばないところ気に入りました！ 正解ですよ、ぴんぽんぴんぽーーん！」
謎のファンファーレが鳴り響く。
「鶴の恩返し改め鳩の恩返しです！ 貴方に助けられたこの子、実は私の愛し子でして！見つけたときは傷だらけでらしくもなく焦りましたが、よく見れば手厚く介護の形跡が……！これはお礼をしなくてはと伺いました！」
「それはご苦労様です。お出口はあちらになりますお客様」
どうして手当てしたのが俺って分かったのかは謎だけど、とりあえず関わりたくないので変態は早々にお引き取り願おう。
「お気持ちだけ受け取っておきますから」
「そんなつれないこと言わずに！ ほらほら！」
あーもう引っ張るな！！！
「やだ！！！帰れ！！！」
「そんな嫌そうな顔しないでください！興奮します！！」
「ひぇっ！！誰か男の人ーーーー！！」
腕をガシッと捕まれ全力で振り払おうとしてもビクともしない。流石は変態。性癖が狂ってやがる……！！！
恩は驚きで返しましょう！*３→←恩は驚きで返しましょう！*１
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苺バニラ(プロフ) - あんみつさん» コメントを返すのが遅れてしまい申し訳ありません、わざわざ教えてくださいりありがとうございます。確認次第すぐに直しますね。誤字のご指摘、助かりました！ (2020年5月2日 16時) (
レス) id: 04f16d165f (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ - こんにちは。とても面白い作品で見入ってしまいました。半年前の作品に口を出して申し訳ないのですが、knightではなくknightsではありませんか？間違っていたら申し訳ございません。 (2020年4月19日 11時) (レス) id: e8e252d741 (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - アルカリさん» いつもご愛読ありがとうございます！作者として、読者さまに面白いと言ってもらえることが一番嬉しいです！これからも、満足していただけるよう精進していきます(*´ω｀*) (2019年10月7日 18時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
アルカリ - 長文失礼します。苺バニラさんの、小説は面白くていつも見ています。これからも更新頑張ってください!長文失礼しました。 (2019年10月7日 17時) (レス) id: f17e38f5ae (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - 錐餌八戸さん» コメントありがとうございます！零さんとの関係は家族てきな感じにしたいなぁと思っていたので、そう言っていただけると嬉しいです〜！これからも、おじいちゃんと孫コンビで頑張ってもらいたいですねぇ(*´ω｀*) (2019年9月15日 7時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
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