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俺は母と妹にされるがままだが、悪い気はしない。
唯一文句言うなら、帯キツすぎて吐きそうってくらい。
母「『や〜んかわいい〜！♡♡♡♡』」
べた褒め食らって、満更でもない俺。
スマホで、今家出た と連絡を入れた。慣れないネイルで少し打ちづらかった。女子ってすごい。
下駄をカタカタと鳴らし、スマホを眺める慧人に思い切り抱き着いた。
慧「へぁ！？だ、れ！？ちょ、何！？」
「支度に時間かかってもーた」
慧「ぼ、僕には、大切なひとが、ッ！！！！……ん？その声」
「あらあら〜、嬉しいこと言ってくれるなぁ」
俺の顔をマジマジと見つめると、顔を真っ赤にしながら抱き締めてくる慧人。
慧「めっちゃ似合ってる…てか、可愛すぎるし」
「散々妹と母さんに褒めてもらったはずなのに、なんか、めっちゃ照れるわ……」
慧「マジで本当に可愛い……僕のために、可愛い格好してくれてありがとう」
「もっと褒めて」
慧「そこまで言われたらなんか褒める気無くすよね」
「えー、褒めてや」
通り過ぎる度に、かわいい と褒められてめちゃくちゃルンルンになってる俺。単純すぎるが、嬉しいので仕方無い。
しっかり祭りを楽しんだ。
フルーツ飴を買って、射的をして、キャラクターくじを引いて。
金魚すくいでは、思いっきり浴衣の裾を水没させた。
慧「一旦休憩しよっか」
「？うん、わかった〜」
慧「足痛いでしょ？僕なんか買ってくるよ」
スパダリすぎて辛い。
慣れない下駄で歩きづらかったのだが、それを察してくれていたみたいだ。
「好き……じゃあ、かき氷買うてきて」
慧「わかった、待ってて」
二ッ、と笑い頭を撫で慧人はかき氷を買いに行ってくれた。
俺は近くにあったベンチに座り、まだ明るい夜空を眺めていた。
星や月が出ていて綺麗だった。星座とかよく分からないけど。
慧「おまたせ、はい」
「ありがと」
食ってばっかやな、と苦笑いし口に放り込んだ氷は一瞬で溶けてしまったが、甘くて冷たい水が喉を通り心地よかった。
俺はブルーハワイ、慧人は苺。
お互いのを食べあったが、結局味の違いが分からなかった。
慧「みて、」
「うわ、けーとの舌めっちゃピンクやん。乙女カラー可愛い」
慧「でしょでしょ、可愛いでしょ」
「俺真っ青やで、ほら、」
んべ、と舌を見せ笑っていた時、慧人の顔が近かった。
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作者名：雲野 | 作成日時：2023年6月15日 2時
