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驚くことに、二宮くんは即刻
先週貸し出したスウェットとTシャツに着替えだした。
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「俺超えらくない？パーカー持ってきたんだ」
「もう寒いもんね」
「これもここ置いといて」
「なんでだよ！」
「そんなこと言わなくても分かるだろ！！」
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デローンとソファに項垂れて、頭だけキッチンの方に見せて
楽しそうに鼻歌を歌いながら、ゲームの画面を開いたらしい。
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「この服、洗ってくれたの？」
「なんで？」
「Aちゃんの匂いする」
「ごめん、いま鳥肌立った」
「なんでだよ」
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やっぱり、会社で話すよりも声が優しい気がする
気が抜けてるのか、ハッキリしたことは分からないけれど
それがとんでもなく心地がいい。
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「なに作ってるの？」
「中華丼」
「お」
「さっきね、帰る時にスーパー寄ったんだけど」
「ん」
「久しぶりにいっぱい買ったら、重くて帰るの大変だったの」
「今度から俺と一緒に行こうね」
・
気の抜けた声と甘い言葉
そんな答えが返ってくるなんて予想もしていなかったから、胸が抉られるような感覚に襲われる。
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「….二宮くんの方が腕細いから、役に立たなそうだね」
「….ふーん」
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あと、トロトロの片栗粉を加えれば完成だった
でも、ここが難しいところで
サラサラになりすぎず、だからって固くならないように神経を使っていた。
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二宮くんがソファから立ち上がろうと
ゲーム機の画面を閉じようと
こちらに向かってこようと
特に、興味を示せなかった。
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「Aちゃん」
「ちょっと待って！」
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呼びかけに適当に返事をしたら、それが少しだけ気に食わなかったらしい
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全神経を注いでいた菜箸を突然奪われて
一番最初に思ったのは、トロトロのタイミングを逃しちゃう！ってことで
それよりも大事なことなんて、いまこの瞬間にはなかったけど
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いつかの会議室みたいに腕を掴まれて、狭いキッチンの端に追いやられたら
中華丼のことなんて、一瞬でどこかへ飛んだ。
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「….意外と物分り悪いんだね」
・
力がなさそうと言ったこと、撤回する前に
掴まれた手首は力を込められて
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薄茶色の瞳の中、驚いたわたしのくちびるに
あなたのそれが、一瞬だけ、触れた。
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やっち(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。猫目線のお話も良かったです♫ (2022年1月18日 22時) (
レス) @page42 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ★(プロフ) - 完結おめでとうございます！あんこはaikoさんの犬、あんころもちから来ているのかなぁ〜なんて想像しながら楽しませて頂きました♪二宮くんの気まぐれと優しさにほこほこしました！綺麗なハッピーエンドも素敵ですね(^^) (2018年1月7日 3時) (レス) id: 6d2e89ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
sakurairoexport(プロフ) - こんばんわ。完結おめでとうございます！！ウルウル。。。いいお話でした。あんこも幸せになって良かったね。 (2017年12月21日 21時) (レス) id: 0ce34abb3a (このIDを非表示/違反報告)
みのりす。(プロフ) - 完結おめでとうございます！そして、最後のあんこsideはずるいです号泣です。笑 (2017年12月20日 1時) (レス) id: a0f97483cb (このIDを非表示/違反報告)
フミちゃん(プロフ) - まりもさん、完結おめでとうございます。続きから最後まで読んで、次は最初から通してまた二度見しました。二宮くんの優しさとたまに来る甘い二宮くんありがとうです(о´∀`о) (2017年12月18日 19時) (レス) id: 45bb1dccc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：.
| 作成日時：2017年8月21日 19時
