甘い恋色。【文豪ストレイドッグス（短編集）】

風邪＿江戸川乱歩の場合（リクエスト） ページ10

貴女side



Aです。いきなりなんですが……風邪，ひいてしまいました。それもかなりの重症。


昨日，乱歩に云われていた事が甦る。


「明日は遅れて出社してね〜」


流石，名探偵・江戸川乱歩。私の彼氏なんですがね。


バタン!!ドアの開く音がした。


「あっはっはっは！！僕こそは世紀の名探偵，江戸川乱歩!A，具合大丈夫〜？」


何時もの高笑いと聞き慣れた声。乱歩だ…合鍵渡してたんだった。


「お菓子買ってきたよ〜。まあほとんど僕が食べるけど。A，ねるね○ねるね練る〜？」


ここまで一気に云った後，乱歩がお菓子の袋を開けて其れを口に含む。


あ……乱歩，お菓子食べに来ただけか……(一応予想できてた)。


………でも，普通はさ？『彼女が風邪』って，恋人たちの重要イベントじゃない？ほら，恋愛漫画とかでよくあるじゃん。


「……………A，僕に何かしてほしそうな顔してる」


「……え？」


乱歩がお菓子をその場に置き，私に顔を近づける。俗にいう，【床ドン】状態……？


「…僕に隠し通せる事なんてないんだよね。Aは何してほしいの？ほら，早く云わないと接吻しちゃうけど良い？」


「………っ……」「……A，顔真っ赤」


ぴりっ…。飴の袋が破られ，乱歩の赤い舌に桃色の飴が乗る。


少し顎を持ち上げられ，接吻された。


「…ん……っ！？……///」


蕩け始めた飴が，口内に転がり込んでくる。


甘い……っ……


乱歩が一度唇を離して云った。


「……もっと甘いこと，してあげる」




fin.



◇◆◇◆◇◆


割と甘めです。

リクエスト有難うございましたm(_ _)m

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