彼女の憂鬱。＿中島敦 ページ8
敦side
僕はここ最近，鏡花ちゃんと同棲を始めた。…＿のは良いんだけど…
なぜか最近，Aが不機嫌な気がする。
なんでだろう…僕、何かやらかしちゃったかな…!?
よし…こういうことは，女性経験も豊富そうなあの人に聞こう…
「太宰さん！相談…聞いてもらってもいいですか？」「良いよ〜。Aちゃんとの惚気話は聞かないけど」
「…その…そういうのじゃなくて，むしろ反対の事で…」「反対の事？Aちゃんから『敦くんのばか！！！！ヘタレ！！敦くんなんてだいっきらい！！』って云われちゃったとか??」
太宰さんが，声音を変えて演劇調に云う。いつもの太宰さんだ……和むなあ……。……＿＿じゃなくて！！
「…最近，Aがなんだか不機嫌な気がするんです。それで，僕なにかやったかなって不安になって…」
「ふうん……。ねえ敦くん，君は…嫉妬したことある？」「…?」
自分の記憶を掘り返す。
「…乱歩さんに嫉妬したことはありましたけど…。Aと楽しそうに話してたから……」
「それだよ敦くん！」「…え」
「最近Aちゃんが不機嫌なのは，敦くんと鏡花ちゃんが一緒に暮らし始めたからだよ。多分，鏡花ちゃんに嫉妬してるんだ」
確かにそうかもしれない＿。最近，Aとあんまり話せてないし…。
「太宰さん，僕ちょっと行ってきます！」
頑張ってねー、格好良い男の見せ所だよ！なんていう太宰さんの声を背中に受けながら，走った。
寮に向かう道の先に，カーディガンを羽織った彼女が見える。
「A！！」「……敦…？」
立ち止まって振り返るAに頭を下げる。
「…最近，鏡花ちゃんと同棲し始めた所為で，Aとあんまり話せてなかったりもして…その上，気持ちも考えてなくて，ごめん」
「…謝るのは私の方」
そんな声が聞こえて頭を上げる。
「いくら…鏡花ちゃんと一緒に暮らし始めたからって，それだけで嫉妬したりして…。然も，あからさまに不機嫌で。ほんとにごめんなさい。…でも，こんな私だけど…これからも…＿」
彼女が云い終る前に，Aを抱きしめる。
「当たり前だよ。僕は君が…一番大切なんだよ？其れを簡単に手放すわけない」
「…〜っ……もうっ，敦の癖に…狡い」「…え？」
Aの頬は，そのとき…真っ赤に染まっていた。
fin.
◆作者の呟き◆
キャラクターが主を呼ぶ時って，〜ちゃん？それとも呼び捨て…?どっちがいいの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。待ってます (2019年10月24日 22時) (
レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
sou16@ギノさん尊い(プロフ) - ハルヒさん» うわあぁありがとうございますm(__)m!!更新停滞ぎみですがそう言っていただけてありがたいです…頑張ります。 (2018年1月8日 1時) (レス) id: 457a901a0f (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ - 面白いしキュンってしちゃう！ これからも更新して下さいね！ (2018年1月8日 0時) (レス) id: 2511e833e8 (このIDを非表示/違反報告)
sou16(プロフ) - 水時(みとき)さん» ほんっとうにごめんなさい！！ドストエフスキーの学パロ、今月中には必ず更新します。本当に申し訳ありません！！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: 457a901a0f (このIDを非表示/違反報告)
水時(みとき) - あの〜、リクエストした者なのですが…ドストエフスキーのは、もう作らないのですか？ずっと待ってるんですけど。 (2018年1月1日 19時) (レス) id: e8aa5139ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sou16_ソウイロ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/souiro
作成日時：2017年2月14日 19時
