甘い恋色。【文豪ストレイドッグス（短編集）】

雨空＿中島敦 ページ4

貴女side


「雨，降ってきちゃいましたね………」


私の隣で敦くんが云う。


「どうする？敦くんも傘ないんだよね……」「はい…止むまで待ちましょう」


一寸時間ができたので，気になっていたことを聞いてみる。


「敦くんってさ，鏡花ちゃんのこと好きなの？」


「…え？違いますよ……っ」


意外とあっさり否定された。


「………Aさんは，好きな人とか…居るんですか？」


敦くんだよ。って云いたいけど，自分の心が其れを止める。


「………優しくて，何処か不器用だけど…一生懸命な人…が，私の好きな人だよ」


「………僕じゃ………ダメ，ですか？」



「……え？」


小さく漏れたその声を聞き逃しそうになり，慌てて聞き返す。


「………僕は……………Aさんのことが好きです。ずっと前から好きでした」


いきなり唇が重なる。


「………こんな事して……ごめんなさい。僕は……誰がなんと言おうと奏さんが好きですから」



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10分後。敦side

「…………えぇ！？何処か不器用だけど一生懸命な人って……僕のことだったんですか！？」「………?そうだけど，なんで?」


首を傾げる彼女に，僕は頭を抱える。



不器用だけど一生懸命って…………………………国木田さんの事かと思ってた………………………。



fin.


書きたいネタはいっぱいあるのになあ……時間ない………(泣)。

愛していても,愛せない＿太宰治→←チョコレヰト＿芥川龍之介

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