甘い恋色。【文豪ストレイドッグス（短編集）】

夜空の下で＿国木田独歩 ページ2

既に二人はお付き合いしてます。


貴女side


組合戦が終結した日の夜……。私と独歩は，高台から横浜の街を見下ろしていた。


「………綺麗だな」「うん」


少しの間沈黙が続く。


「……A」「何？」


独歩が私に向き直る。


「………御前は……俺の予定を何時も乱す。本当に最悪な奴だ」「………え？」


思い掛けない言葉に……指先が冷えて痺れる。思考が遅くなる。


別れ話…かな。


「……だから…あと一年先に切り出す予定だった筈の話を，今しなければならなくなった」


大好き…だったのにな。


「………A」


いきなり抱き寄せられる。


「……俺と…＿結婚してくれ」


「…………＿え？」「…俺と……結婚…，してほしい」


独歩の…耳が，紅く染まっている。


「…独歩……っ」「…何……だ？」


少しだけ緊張しているような声…＿。


「私，これからも…独歩の理想を乱すかもしれないし，予定を早めてしまうかもしれない。だけど…

　それでもよければ…私，これからも独歩のことだけを愛してるから。…宜しくね？」


独歩が私と目を合わせる。自然と唇が近づいた。


独歩が，少し…微笑む。


「こちらこそ宜しく，A」「うん…っ」


「接吻…していいか」「…勿論」


二人の唇が，引き寄せられるようにそっと重なった＿。



fin.

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