【BL】兄の行き過ぎた愛を弟は受け止めきれるのか

兄愛２４ ページ25

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というわけで、俺たちは観覧車にのっている。
俺と兄で向かい合い、兄は窓に手をつき、俺は窓枠に肘をついている。

こういうのって、カップルとかで乗るんじゃねぇの？
なんて思うが、まあカップル限定なんて書いていないしいいだろう。



「奏汰、外暗かったらムードあったのにね！」

「兄弟にムードもクソもあるか」

「えぇー！」



頬を膨らませる兄。
いい年してぶりっ子すんな。



「きれいだね！」

「...」



確かに、コントラスト？みたいなのが合わさっていて綺麗だと思う。
相手は兄だけど、でも綺麗な景色を見れて嬉しい。
俺は、無意識のうちに微笑んでいた。



「ふふ...よかったね、奏汰」

「！ ...まあね」



見んな、と文句を言おうとしたけど、兄の優しい表情を見て言えなくなってしまった。

なんだよ、恋してるような目して...。



「...気持ち悪い」

「えっ、酔った！？」

「お前がだよ」



なぜかポケットからビニール袋(新聞紙つき)を出す兄。
こないだの登校時と同じく、すこぶる理解力がない。



「えー...俺？」

「決まってんだろ」



唇を尖らせて拗ねる兄。
やっぱり、調子に乗らせるんじゃなかった。
遊園地に誘うのなんてやめとけばよかった。






「お前、キモいんだよ」




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