兄愛2 ページ2
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「奏汰、サンドイッチだよ」
「なあ、聡」
「大丈夫、今日は俺の手作りじゃないよ。あ、婚約指輪?今持ってくる?」
「ちげーし。」
もぐもぐとサンドイッチを頬張りながら返答をする。
ああ、今日は聡の手作りじゃないのか。なら超安心だな。
というのも、聡は俺の好物を突っ込むから、まるで黒魔術のようなものが出来上がるのだ。
あれは、一度騙されて食べたが、この世で1番不味かった。
し、禍禍しいオーラがでてた。
婚約指輪はいつもの話なので、別に気にしない。
どうせ用意していないんだし、気にする必要もない。
「さっき、俺のこと撮ってたでしょ」
「んー、気のせいじゃない?」
「家出」
「うわあああ!!!消すからぁ!!」
朝からうるさい。
兄になにかイラッと来たら、すぐ家出すると言えばいい。
そしたら、モザイクかけた方がいい顔で言うことを聞く。
まじ魔法の言葉。
「奏汰ってば酷いよ」
「警察突き出すぞ」
「うえっ」
サンドイッチを食べ終わり、歯磨きをする。
鏡に移る兄。
見てないときは、ちゃんとやるっぽい。
「ふぅ、行ってくる」
「えっ、待って今ブレザー探してるから」
俺はそんな言葉を無視し、走って学校へと向かう。
この時間が、唯一自由な時間。
「はあ、やっと」
「またため息?幸せ逃げちゃうよ?あっ、そしたら俺の分けてあげるよ!」
何 で い る 。
走ったはずなのに、もう隣にいて、しかも爽やかな笑顔。
今日は大丈夫だと思ったのに。
「はあああああっ!!!」
「ため息ついてる奏汰も可愛いって。安心して!」
「…」
ウィンクしてくる兄。
もう、叫んでしまおう。
「……ついてくんなああああああああ!!!」
「奏汰誰にストーカーされてんの!?お兄ちゃんがぶっ倒してあげる!!」
「お前だよおおおおおおおおお!!!!」
「…誰っ!?」
全速力に、余裕でついてくる兄。
くそみたいな俺の兄。
俺への愛を拗らせすぎて、くそ以下の性格の兄。
これが、俺の日常。
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鯨(プロフ) - すずさん» 「だから可愛くないんだって!もう...。早くイチャイチャって、誰と?和? 少なくとも聡がいなくなるまではデレるつもりはないよ。というか、"デレ"がわかんないんだけど...?」 (2017年1月4日 12時) (レス) id: ff39804a8f (このIDを非表示/違反報告)
すず - うっ....可愛いなぁ....♪早くいちゃいちゃしてほしい....奏汰くん、君はいつデレるんだい?? (2017年1月4日 12時) (レス) id: 3174291c54 (このIDを非表示/違反報告)
鯨(プロフ) - すずさん» 「うっ、だから俺は可愛くないって...。カッコいいほうが嬉しいっつうの...。まあ、好みって言ってくれてありがと。これからも、応援よろしくね」 (2017年1月4日 12時) (レス) id: ff39804a8f (このIDを非表示/違反報告)
すず - 奏汰可愛い....♪見た目も性格ももろ好みだよ〜! (2017年1月4日 11時) (レス) id: 3174291c54 (このIDを非表示/違反報告)
鯨(プロフ) - 佐倉さん» 「俺カッコいい?奏汰のお兄ちゃんだからね!!奏汰は無意識にすれ違うから困っちゃうよ...。これからも応援よろしくね!」 (2017年1月2日 10時) (レス) id: ff39804a8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鯨 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月27日 23時