水槽の猫等(麻辣ザリガニ) ページ4
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彼と出会ったきっかけは、仕事先の飲み会の席で懐石料理を堪能した時だった。
その時に私は本格的な四川料理を目にし、非常に感銘を受けた私はその後、四川料理を私も作ってみたい、と思い立った。
その中で一番心に残っていた麻辣ザリガニを家で作ってみたら、作った料理に魂が宿り彼が食霊として馳せ参じたのだ。
彼が現れた瞬間、夢見まごう食霊との邂逅もあるが、彼からほとばしるあまりの熱風とカプサイシンの匂いに身が焦がれるかと思い、異形のものの存在に捨てようかとも思った。
しかし、彼の呆れ顔を見たらまぁちょっとくらい食べてやろうという気になり、食した瞬間、ピリリと辛いうまさが口の中に広がり病みつきになった。芳醇な香りも辛さも虜になり、気がついたらザリガニの殻の山。そして、驚きと興味に満ちた表情で腕組みをする麻辣ザリガニがそこにいた。
───……
今は私は、なんだかんだで彼の周りで好き勝手させて貰っている。
ベッドの中で、お前は触るなといじわるをいう彼に抱きしめられ今日も私は夜を明かすのだ。
自分の事は触るなと言う癖に、私の事は触ったりこうして抱きしめる。
まったく、しょうがないやつだ。
そうやって考えていたら、いつの間にか寝てしまった。
現実と夢を行ったり来たり……ベッドの上でまどろみの中でうとうとと、白昼夢のような状態になっていると、
───ちゅ
と、麻辣ザリガニのキスが頬におりてきた。
本当に、イタズラ好きのしょうがないやつだ。
───𝑒𝑛𝑑.
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作者名:月石 | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/moonstone
作成日時:2023年9月9日 21時