〇大人じゃない ページ31
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手の指の真ん中の三本をピシリと揃えて眉間にあて、
知り合いであろうその男、Aさんと一緒にコンビニから出てきたそいつが名前を呼んでも依然そのままのジェミナ
Aさんに笑顔を向け、いつもより近い距離を意識し接近しながらその男に目を向ける
ぺこり、と浅く会釈するまんまる目
「どうも。Aさんがいつもお世話になってます」
「いや、こちらこそ…」
「ヒョン。あの、こちら同僚のドンヒョクです。」
ジェミナの異常なまでの瞬きの多さ
『マークです、はじめまして』と、変わらずまんまるな目と、少し上がった眉
さっきまでペッカペカの笑顔だったじゃん
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俺って昔から察しは良い
それが正解かどうかは別にわかんないけど
「あ、ジェミナ。この方がAさん。会わせられてよかったわあ」
「ん、そうね…、えと、はじめまして、Aさん」
「あ、はじめまして。」
ぺこりとお互いに会釈し合うおふたり
俺も大人げないことしてるけど。お世話になってますとか、友達に会わせたかったとか、わざわざ口に出して言っちゃうっていう
だって多分、パッと見ただけでも、マークっていうこの人、
「じゃ、俺らはここで」
「あ、はい…」
「じゃあまた、お疲れ様でした」
くるりと向きを変えさせ、予約してあったレストランに足を向ける
薄く口を開いてたマークって人のあの顔、
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「ドンヒョクくん歩くの速くなった？」
「…うん、今日限定」
「いいね」
「ぜんっっっぜん、良くない」
すぐにわかった
あんまり近付けたくないなって思った
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
