〇呪い ページ4
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「ほんとだ」
まさか、じっと見てくるとは思わないじゃん
昔から、なぜかあんまりまっすぐ見られなかったAさんの目
思春期だったからなんだって、ずっと思ってた
「見すぎ」
「と思うじゃん。ドンヒョクくんもまたわたしを見てるんだよ」
「深いようで浅いっすね」
片手を少し握って、『へえ〜なんかミステリアスな目だよね』とか言いながら頬杖をついてる
その時に気付いたのは、彼女の唇の端が少し切れてること
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彼氏いるなら、そんな大事なとこ早く治さなきゃダメじゃん、っていうのと
かわいい、って思いながら唇を見てるのがバレないといいなって気持ちと
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そんなことを悶々と考えてると、『ドンヒョクくんさあ』って、お姉さんが口を開く
昔から、この人に名前を呼ばれるとなんともいえない緊張感がゆるく走る
別に怒られたりとか、厳しいとかそういうのじゃ全くない。
むしろずっと、いつも、“弟の友達”として優しい。
「…見れば見るほど、ほんっっっ…とにかわいいよね」
「んふふふん」
「満更でもないって？」
勝手に褒めといて、いざこっちが反応すると『ウザイなあ』とか言うんだ
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「ねえ、今度シウ帰ってきたら、つか帰ってくる前でもいいんで教えてください」
食べ終わって少し話をして、そろそろ帰ろうかと靴を履いて
チャンスなんかずっといくらでもあったのに、連絡先を聞くのが今になるっていう
携帯あっちに置いてきちゃったから、と、口頭でIDを教えてくれて、このアカウントで間違いないかの確認もしっかりして
「じゃあね、またおいでね」
「はい、ありがとうございました。シウに残念だったな、って伝えてください」
「うん、寂しがってたってちゃんと言うね」
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一人暮らしをしてる自分の家から、車でそう遠くないシウとAさんの家
ケーキうまかったな
ほんでやっぱりお姉さんはかわいい
彼氏となんか早く別れればいいのに
今日は冷えるなあ
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
