〇知ってる同期さん ページ30
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「俺の事つけてんの？｣
Aさんとの待ち合わせのため、普段と違う路線のホームにたどり着くと見慣れた後ろ姿を見つけ、声をかけたら開口一番でこれ
「ジェミナこれ乗るの？俺あんまり乗らないからわかんなくて」
「デートかい？」
「そうよ〜？」
「へー。Aさん？」
「名前覚えなくていいから」
「いやなんか知ってるんだよねえ」
「俺が言ったからでしょ？」
そう聞いたタイミングでちょうど電車が到着
ジェミナは謎のまま、一緒に電車に乗る
「…言いづらいんだけどさあ、その、彼女？Aさん、なんですけども…」
「え、なに。何！言って。頼む。なに、その不穏な切り出し方」
「…たぶん、だけど、俺の知り合いの知り合いの可能性がかーなり、デカくて」
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なんで言いづらいんだろう
知り合いの知り合いだったら、へえ〜世界って狭いね〜くらいのノリだろ
なんでジェミナはこんな疲れたように話すんだろう
「え、てかどこで降りんの？」
「次」
「いや、俺も次」
「…え？なんで？ジェミナ最寄り違くね？」
「いや、そのさあ」
珍しく歯切れの悪いジェミナ
その様子は、Aさんの職場のあるビルに着くまで続いた
その間ジェミンの顔はどんどん無になっていくっていう
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「え、マジで何？俺についてきちゃってるだけ？」
「いや俺、だからデートよ。彼女がここのビルの、」
そう言いかけたところで、そのビルの横のコンビニの自動ドアが開く
そっち側に体を向けてジェミナと話してたからすごく見えるんだ
こんなときまで顔を見ただけでキュンと跳ねるし、俺のこの単純さはあんまりバレたくないところではある
「あ。ドンヒョクくん」
「…おつ、かれ、さまです……？」
「ありがとう！来てくれたの？」
とことこ寄ってきてくれたAさん
と、その横には知らない男性社員
誰だお前は。やけにまるい目をぱちくりさせて俺とジェミナを交互に凝視してる
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「やっぱ‘’ここのAさん”だったか……」
ヨタヨタとその男性社員に歩み寄るジェミナ
ジェミナはやはり何かを知っていたらしい
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
