渦中の人 ページ29
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「Aさん、ジェミンって人間知ってますか？」
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食堂でたまたま遭遇したマークさん
会釈した流れで、社食の列に隣合って並んでいるとそんなことを聞かれた
なに？ジェミン？そうかジェミンさんという人がいるんだ、知らないけど
最初に人間ってことを教えてくれたからわかりやすい
「存じ上げないです」
「ですよね」
と、そのままなんてことない話を始めるからさすがに止める
「え、で、どなたですか？その、ジェミンさんって方。
マークさんも突然話題ほっぽりだすのやめられます？」
わたしがそう切り出すと、そうなるのがわかってたみたいにくるくる笑う
「ね、俺もびっくりしたんですけど。ていうか、俺がAさんの話しててね、すごい聞き返されて、そのジェミンて奴に。だから知り合いなのかなって思ったんですけど」
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空
大地
宇宙
ジェミンさん
あーだめださっぱりわからない、というより記憶にない
わたし記憶力には自信あるし、人の顔も名前も無駄に覚えるのが早いはずなんだけどな
そんでなんでマークさんはわたしの話をしてるんだ
「悪口言いふらしてるんですか？わたしの」
「え！？…いや、ふふ、ちがいます、ふふ」
「怖…体調悪くなってきた…午後休取ろうかな…」
「たのしい社員さんがいるんだよって話をしてるだけですよ〜」
「もう何も信じられないなあ｣
「ほんとです。もう恥ずかしいんで、終わり。この話」
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まとめ
どうやらマークさんがその謎のジェミンさんにわたしの話をして、ジェミンさんはなぜかわたしを認知(？)しており、わたしはその人のことは全く知らない
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
