○香らせ方 ページ23
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「…じゃあ俺これやーめよ！なんかめちゃくちゃアホみたいな洋画観たい、なんかあります？」
「やめるの？アホみたいな洋画…わたしそういうの大好き。そうだ、すんごい好きなのがあって、」
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Aさんが好きだっていうアメリカのスクールもの
恋に友情に学業に、しっちゃかめっちゃかな映画で、わりと俺の好みでもあり
映画だからと室内照明が最低限に落とされたこの部屋に、少し緊張もあり
でも絶対手ぇ出さない、へんなことしない
「おかし食べる？」
「わあい、ほしいです」
「はいはい？まってね」
立ち上がってキッチンに向かおうとするAさん
あーそうか取りに行くのにも歩かなきゃいけないよな
「Aさん、やっぱおかし大丈夫です」
「そう？オッケー」
「あとね、俺ちょっと腰痛いからとなり座ってもいいですか？」
「え、うん…いいけど…どうぞ…」
改めてソファに腰掛けたAさんと、できるかぎり距離を取って隣合う
近いと警戒されちゃうから
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「ん。やっぱりだ、ドンヒョクくん香水つけてる？」
「ん？ああ、つけてます。強いですか？」
「ううん、ほわ〜って感じ。つけ方上手いのかな。歩いてる時からしてた」
「俺、シュッてしてくぐる感じでつけてます」
「そっか、だからか」
目線は映画に向けたまま、『いい匂いだね』ってちょっと笑ってる
ぼーっと、その横顔を見てしまう
うーん、好きだな
あの時、寒いから気をつけて帰ってねって手を振ってもらった時みたいなこのときめき
「…なんか、Aさん今日俺のこと褒めてくれるからうれしい」
「あは、確かにそうだね」
「俺のことちょっとでもいいなって思ってくれてます？もしかして」
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「うん、ドンヒョクくんはすごい、いいと思う」
どうせまたかわされちゃうんだろうなって思ってた俺にとってはものすごいダメージ
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
