Kidult ページ17
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駅が見えてきたから、わたしの家まであと少し
今はドンヒョクくんが好きだという曲のプレイリストが流れてる
｢来週の土曜とか空いてますか？｣
｢土曜日？うん。ご飯食べる？｣
｢ごはんは食べる。でも、デートしたい。してくれます？｣
｢…うん｣
｢ヤだったら断ってください。ごねるけど｣
｢ううん、行こう。大丈夫だよ｣
｢大丈夫って何…？｣
｢めんどくさいね？｣
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でも嫌なめんどくささじゃない
断る気があった時の、断りやすさも考えての発言なんだと思う
この子はわりと色々考えてる
｢さっき、お散歩してるとき、なんか俺の事じっと見る時間が発生したの、あれなんだったんですか？｣
｢バレてた？｣
｢てたてた｣
｢…なんか、男の人だって思って｣
｢それ、なんで今言うの…？｣
｢聞かれたから…｣
｢そういうの、そんな嬉しいことはすぐ言ってください！なんですか、姉弟揃ってそういうことだんまりで…｣
小さい口をとがらせて、ネチネチ言ってる
｢ドンヒョクくんも大人になったなって思ったんだよ｣
｢だから、言ってるじゃないですか｣
｢不思議な感じしてさ〜｣
｢これでちょっとは見る目変わりました？｣
今目の前にいるのはあの時の“かわいいドンヒョクくん”ではない
｢…変わりました…｣
｢付き合ってくれますか？｣
｢それはちょっと…わかんない…｣
｢キー！｣
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ドアを開けると、ドンヒョクくんも『家入るまで送らなきゃ心配だから！』と降りてきてくれて
｢女の人入ってった。安心ですね｣
｢わたしの父親なのかな？｣
｢遠回しにお前はナシって言ってます？｣
｢めんどくさいね｣
｢へへ、うそです｣
｢あは、じゃあね｣
｢じゃあね？｣
｢何？｣
｢またね、がいい｣
猫なで声で、しかもマンション前でそんなこと言い出すドンヒョクくん
わかった、この子そういうとこあるな
｢またねって言って｣
｢またね｣
｢はい言ったね？またねって言ってくれた｣
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よかった、急に大人びたわけじゃなくて
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
