〇タイプ ページ15
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例によってまた、別れるのが惜しくなってしまって
今度はお散歩を提案したら、『食後の運動、大事だよね…』という理由で承諾してもらえた
寒いからちょこっとのつもりで
｢Aさんはどんな人が好きなんですか？｣
｢え、…うーん、今は〜｣
｢今はって何｣
｢ブームがあるんだよ、あんまりこだわりなくて｣
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『Aさんはどんな人が好きなんですか？』
『誰が知りたいのそんなの〜』
『俺含め皆！』
高校の時、リビングでゲームしてたら用事からAさんが帰ってきて冷蔵庫に向かうところを、順番待ちしてた俺と友達で、そんなことを聞いたことがあって、『わかんないよ〜』って切り上げようとするから、2択でいろいろ聞いたんだっけ
“色白か色黒”か、は色白
“かわいいかかっこいい”か、はかっこいい系
“落ち着いてるかやんちゃ”か、は 落ち着いてる方
ああ、じゃあ俺ダメじゃね、なんて当時の子供の価値観にもわかった
その時はさほどショックではなかった
こんな気持ちだとは気付かなかったから
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｢じゃあ今のブームは何なんです？｣
｢今はねー、大きい声でつっこまない人｣
｢なにそれ。いつつっこむことあります？｣
｢落ち着いたトーンでつっこんでほしいんだよ、地味に面白いこと言う人とかすき｣
じゃあ最近別れたっていう元彼はそういう人だったのかな
Aさんがこっそり『つっこみデカいなあ…』って思いながら接してたと思うとちょっと面白い
｢じゃあ、ドンヒョクとドンヒョクだったらどっちが好きですか？｣
｢え〜、迷うけど、ドンヒョクくんかな｣
｢よかった。俺もAさんすき｣
｢……文脈まるで無視なの？｣
それはごもっともな指摘
本気だって捉えてくれないなら、いくらだって、伝わるまで言った方がいいよな、っていう開き直りでもあるんだよ
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
