変わった ページ2
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「なーんだ、シウいないんだ…」
「うん、せっかく来てくれたけどね。残念だったね。」
「…じゃあ、これ、お姉さんに」
寒いからか、ちょっと焼けててもほっぺがほんのりピンクがかっててかわいい
そっとケーキ屋さんの箱をわたしに寄せる
「え〜！いいの？ラッキー。あ、てか一緒に食べる？」
単純なわたしはつい舞い上がって、仲間内でしか通用しないような、『なんでだよ』というツッコミ待ちの冗談を言ってしまった
マズイ、と気付いたのは、ドンヒョクくんからの返答がなく、見ればぽかんとまた口を開いていたから
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だけど、わたしが情けない『なんちって』をいい切る前に、大きく何度も頷いたドンヒョクくん
え？と思いながら見てたら、にへへ、と徐々に笑みを浮かべるから、肯定の意を示してくれていたらしい
「冗談で言ったんだけどな〜」
「ねえ！マジでどっちですか？いいの？ご一緒していいのね？」
「うん、ごめんごめん、もちろん」
靴を脱ぐとそっと揃えてから『お邪魔します』って、手をすり合わせてる
「コーヒー飲める？」
「飲めます、俺もう大人です」
「俺って言った。あ、洗面所しっちゃかめっちゃかだからこっちで手洗おう」
キッチンに向かいながら手招きすると『はぁい』っててちてち歩いてくる
声は前より低くなったけど、ちょっとざらざらした柔らかい声は変わってないっぽい
「お湯になった」
「あったけえ」
「で、いつから俺って言うようになったの」
「そこ深掘りします？」
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身長も顔つきも、声も、振る舞いも変わったけど
どこか変わらないドンヒョクくんがここにいるのがなんだか不思議だ
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作者名：towa
| 作成日時：2024年2月8日 22時
