1ー1 ホグワーツへ ページ1
9と4分の3番線で、1人の少年があたりをキョロキョロ見回していた。
金色の髪に青色の瞳の少年は小さな子供たちが親に涙ながらに別れを告げているのというのに、ぽつんと立っている。
彼の手には大きなトランク。それを真紅の汽車に入れ込むとほうっと息を吐き出した。
あたりでは猫やフクロウが泣きわめき、思わず少年は顔をしかめる。
ぐるりとあたりを見回したあとで汽車に乗り込もうとした瞬間、目当ての相手を見つけてにやりと笑う。
「おーい！ジェームズ！！」
細身で少年とは対象的な黒髪の少年に手を振ると、ちょうど親に服装を正されていた少年が振り向く。
「ルイスか、しばらくぶり」
お互いにニャッと笑い合い、ルイスと呼ばれた少年がジェームズの元に駆け寄る。
「ジェームズのご両親ですね？こんにちは」
「あなたがこの前この子が言っていたルイスくんね？息子をお願いするわ」
老いた母がにこりとルイスに笑いかけた瞬間、ポーっと大きく汽笛がなった。
「ん、時間みたいだな。じゃあね、パパ、ママ」
ジェームズが両親に手を振ると彼らは涙ぐみながら息子に手を振る。ルイスとジェームズは汽車に乗り込み、空いているコンパメントを探し始めた。
どのコンパメントもギュウギュウのようだった。生徒の笑い声やら悲鳴などが混ざり合い車内は騒がしい。
「あ、ほら、あそこのコンパメント空いてるみたいだぞ？」
ルイスが指を指した先にはつまらなさそうに窓際で頬杖を少年が1人のコンパメント。顔立ちの整った少年が頬杖をつく姿はよく映える。
「そうだな。おーい、失礼する」
遠慮なくジェームズがコンパメントに上がり込むと相手の少年は二人を見て見定めるように問いかけた
「名前は？」
「人に尋ねる前に自分から名乗ったらどうだい？」
「シリウスだ、よろしく」
「ジェームズ、こっちはルイス」
3人はしばらくお互いを見つめあったあと、くすりと笑い、2人が腰を下ろした。
「新しい1年生なんだろ？君も」
「あぁ。」
「とうとうホグワーツに入れるなんてね」
ガタゴトと列車が揺れ始める。
「あ、ほら、あれ、君たちの親だろう？」
窓際に座っていたルイスが指を指した先には先程の郎夫妻と、高価な服を着た貴婦人がいた
「本当だ」
ジェームズはじゃあ、というように列車が進み始めても手を振ったが、シリウスの方はぶすっと俯いたままで手を振らなかった。
EPISODE1
出会い
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作者名：Lock | 作成日時：2019年1月18日 17時
