Thirty one ページ35
須崎side
そういえば、Secretは29期生やけどちゃんと同じ時代にNSCやった人って誰や……？
俺は番組の収録を控えた楽屋の中で考えた。
けど１人で答えなんて出えへんから29期のリリーさんに質問する。
洲崎「リリーさん､Secretとちゃんと同期やった人って誰なんですか？」
リリ「え、Secretか〜？29期扱いやけど入学した年言うんやったら〜うーん…」
何でも、あの二人が入学した年のNSC生は他の年に比べて極端に少ないらしい。
噂ではSecretの実力を見て、自分に見切りをつけ自ら退社していったり、同じ事務所では戦えないと移籍していった人らが多かったらしい。
リリ「でも当時のことなら教えたるわ」
洲崎「え、ええんですか？」
俺はリリーさんが座るソファの隣に座った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿リリーside
所謂天才気質。
周りを寄せ付けない独特のオーラはNSCの頃から。
ダウンタウンさん、今田耕司さん、中川家さん、森三中さん、、などなど全国で活躍する先輩たちを輩出してきたNew Star Creation。通称NSC。入学は簡単やし卒業も簡単やけどその後売れるんは狭き門やった。
けど、努力するれば明るい未来が約束されとる。
その明るさを求めて何人もの若者が努力し、挑戦してきた。
選りすぐりの天才たち。
その中でもSecretは異質だった。
恐怖の月間評価。
何人も落とされていく残酷な世界であの2人はトップに立ち続けた。
きっとデビューした先輩方でも太刀打ち出来ない恐ろしい才能。
そんな彼女に勝てる者など、NSCにはおらんかった。
昔、俺たちより先にデビューした祇園の木崎さんがこう言っとった。
１度だけ、彼女達のネタ合わせを見たことがある。
まるで何か周りに魔法をかけているみたいだった、と言っていた。
それを聞いて俺は魔法？、と聞き返す。
おん、誰も寄せ付けへんバリアのような。
けどそんなことしなくったて寄り付かんわ。
あんな自分と確実に格がちゃうやつら。
そして2人はこう言ったらしい。
『お前みたいな外人のしかも女の作るネタなんて誰も興味無いし、売れるわけないと大勢が笑ってました。けどね、先輩。それはどうせ強がりなんですよ。』
木崎「なんでそう思うん？」
連城「目を見ればすぐわかりますよ。俺らのネタを夢中で見ていたくせに、終わると後ろ指を指す。その変わりようが笑えますわ」
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作者名：Grim ripper | 作成日時：2020年4月3日 10時
