Fourteen ページ18
石井side
石井「うまっ」
『ほんと？！パエリアは初めて作ったんだよね』
石井「俺は実験台か？」
『唯一無二の頼れる相手です』
照れる､普通に照れる
なんでこんな事平気で言えるん？
そもそも俺は男やで？あかんやろ､普通に部屋呼んじゃ
石井「あかんよ？俺以外の男呼んじゃ」
『てるは私の保護者か何か？』
石井「わかった？」
『もう和牛さんも呼んでるし濱家さんも呼んでるしミキも……安田も呼んでるよ』
ｯﾁ安田くんめ､許さん
石井「それ以外あかんからな」
『過保護ー。自分で言うのもなんだけど皆過保護過ぎない？私そんなにお転婆娘に見える？』
石井「怖いもの知らずやと思ってる」
よく､天狗になってる先輩が後輩いびってる時とか､突っかかってる。
あれ見てるこっちがヒヤヒヤするからやめてほしいんよね
『失礼な！』
石井「事実やろばーか」
Aが笑う
もうこいつが笑っとったらええわ､なんて思うくらいには溺れてる
この年になって、親から結婚の催促か増えてきた。
そうすると決まってこいつを思い出す。
ずっと片想いして、未だに振り向いてくれないやつ
いい加減諦めたったらええのに､自分の中の何かがそれを許さない。
散々やねん。ここ最近、俺の寝付きが悪いのはお前のせいなんやぞって言ったって許されるんちゃう？
『今日さぁあの後､尼神インターと夜食べに行ってさ』
Aがほろ酔い状態になった時､ついに話し出した。
『可愛いの､あの二人。純粋で努力家で､私を慕ってくれてる。見てるこっちが眩しくなる。』
石井「嬉しくないん？」
『嬉しいよ､この業界で誰かに慕われるって言うのはどこか認められた気になる』
石井「後輩に？」
『おかしいかな』
そうAが苦笑いする
石井「いや､おかしくはないけど珍しいと思って」
『えー？そう？一人の人に認められるのは嬉しいじゃん』
Aは後輩を後輩である前に一人の人間と考えるやつやった
当たり前な事なのに､社会ではどこか当たり前じゃない。
石井「んで､それがどうしたん？」
『自分がね､酷く汚く思えたの。』
汚く……？
『少し､昔話をしてあげる』
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作者名：Grim ripper | 作成日時：2020年4月3日 10時
