【2j3j】あの夏の亡霊と【kne】

『夢と幻と現実と天使』 ページ25

長い夢を見ているようだった。




目が覚めると、いつもの見慣れた天井が視界に映る。

あぁ、私の部屋だ。



仰向けでいると耳に流れてくる涙を追い払うように起き上がる。

「はぁ…！」



ずっと見ているあの夢にとらわれたままの私は、今日も最悪な気分で朝を迎える。



すると後ろから声がした。



『A〜？なぁに暗い顔してんの』


私の気分とは正反対の、呑気で優しい声に返す。





「ううん。何でもないよ。





＿＿＿＿叶。」






何度も死んだ彼の方を向きながら。






『めっちゃ泣いててよく言うよｗ』
「うるさいなぁ…ｗ」


『、、ごめんね、泣かせちゃって。』

「＿＿別に叶は悪くないでしょ？」




この夢を見たことを叶が知る度に、彼は私に謝ってくる。

何も悪くないのに謝ってくるもんだから、こっちまで辛くなる。





手を伸ばしても届かない彼を見つめる今の私は、




『ほら、もう学校の時間だよ？早く行こ！』
「ちょっとまって髪の毛が…！」






夢を見ていて、





『大丈夫だよ〜A可愛いから〜』
「やめて？口説いてくんの」







幻を求めていて、







『んふふｗだって僕ら、』





現実がきていて、






『＿＿＿恋人でしょ？』









天使といる。

『隣に座る天使』→←○

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す