▲ ページ9
「うっ…」
「?…!Aさん?!」
頭痛でフラついてその場にしゃがみこんだ。
するとお兄ちゃんは急いで中に入ってきて私の背中い手を添え、優しく包み込んだ。
優しい…はずなのに、より一層頭痛がひどくなった気がした。
「…わから、な、い、、」
「、、っ、無理に考えないでください!今すぐ思いつかなくたって…」
「ちが、う、の、、」
「違う?」
私の思いと言うのもそうだけど、なんでこんなに頭痛がするのかわからない。
彼の優しさに、彼の温かさに、彼の笑顔に、全てに痛みが伴う。
「っ、もう、大丈夫だから。ごめんお兄ちゃん。」
「…本当に?」
「うん。大丈夫。」
「…今日はもう寝てください。明日また、いろいろ話を聞かせてもらいますから。」
「…うん。わかった。」
「おやすみなさい、お兄ちゃん。」
「…あ、はい。おやすみなさい。一応部屋までついていきますね」
暫くの間があってから、お兄ちゃんはそう言って私を立ち上がらせた。
彼に支えられながらゆっくりと階段を上っていく。
私は、お兄ちゃんに早く離れてほしいと思っている…はず。
なのに、いざ彼が離れたらどうなるだろうか。
また会えなくなる?
またいなくなる?
あれ、なんで、“また”って…
「…さん、Aさん!寝室に着きましたよ!」
「へ、あ、うん。ありがとう。じゃあ、おやすみね。」
「…はい。おやすみなさい。」
そっとドアを閉め、部屋から出るお兄ちゃん。
「…いつもの“おまじない”はどこにいったんですかね。」
ドアの向こうで呟く声に、私は気づく余地もなかった。
104人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Loaro(プロフ) - 創って更新したはずのデータがパソコンのエラーですっ飛んでもました!全然更新されないなぁと思わエてしまった方、待ってくださっていた方、本当に申し訳ありません…!全然気づかなかった…切腹します鋭利な顎で (10月26日 0時) (レス) id: 7d4f6a96b8 (このIDを非表示/違反報告)
Loaro(プロフ) - 最初立ててなかったのになんか立ってました!マジで全然気づかなくて…違反報告して消してくださった皆様、まる様、本当にありがとうございます… (5月14日 0時) (レス) id: 7d4f6a96b8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ!💦 (5月11日 16時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Loaro | 作成日時:2023年4月30日 23時