Prologue ページ1
「予報は当たったみたいだね」
予報通りの初雪に、少し弾んだ声が聞こえた。
赤い傘をくるくるを回しながら進む彼女の背中を追いかける。
「ちょっと待ってよ！速いって、、」
「ちがうよ〜ｗ明那が遅いの！」
べ〜、と楽しそうに舌を出す彼女とのじゃれ合い頬が緩んだ。
でも、心は曇ったままで。
「ねぇ、A？」
「うん？」
「外、大丈夫なの、、？」
「…過度に動かなければ大丈夫って、お医者様が言ってたよ。」
「、、、それでも、心配なんだけど…？」
「大丈夫だよ〜！！ただの散歩じゃん！」
「しかも、今冬だよ？心配しすぎだって！」
「いや、だって、！」
「過保護だなぁ、明那は。」
「…」
「そんなことより、ほら見て！綺麗〜…！」
空を見上げた彼女を倣って天を仰いだ。
冬の澄んだ寒空に、ひらひらと粉雪が舞っている。
「うぅ、さむい、、！」
ふと聞こえた声に目を向ければ、身を震わせている彼女が見える。
「ほら。」
上から俺の上着をかけてやる。
「わ、ありがと！でも明那、寒いでしょ、、？いーの、これ…？」
「可愛い妹のためですから。」
「、、うん。ありがとう。」
“妹”という言葉に、彼女の肩が小さく動いた。
一瞬の暗い顔もすぐに溶けて、いつもの笑顔でお礼を言った。
「みて、積もってきた」
そういってうつむく君の瞳の奥には、薄く雪が積もったアスファルトだけが映っていた。
少しだけ、
少しだけ、そのアスファルトが滲んだのは、きっと俺のせいなんだろう。
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Loaro(プロフ) - すず。さん» ありがとうございます！はげみになります！！！ (5月9日 23時) (
レス) id: 7d4f6a96b8 (このIDを非表示/違反報告)
すず。(プロフ) - とても好きな作品です！これからも更新頑張ってください！ (2022年12月29日 23時) (レス) id: f9ac5e50c0 (このIDを非表示/違反報告)
Loaro(プロフ) - 名前設定なしの場合、主人公の名前は 夏夢（なつめ）と読みます (2022年7月1日 9時) (レス) id: 7d5877d4f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Loaro | 作成日時：2022年6月29日 17時
