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流石にやばい話 ページ49

新一の腕を掴んで走り出す。後ろでダァン!と大きな銃声が響くがそれさえも無視してトイレへ駆け込んだ。

「コンビニ強盗か」

冷静に新一が呟く。俺の顔を見て睨んでいて、さも「また巻き込まれたのか」と言いたげな顔をしていた。

『…さすがに俺、巻き込まれ体質過ぎねえかなあ…。もう、外に出ない方が良いのかも』

便器の蓋に乗り個室の中の小さな鍵に足を乗せて何とか上に登るも、どうにも裏への天井扉を開けることが出来そうにない。自分のサイズを完全に失念していたのだ。

「割とマジで外でない方が街が平和になったりしてな 」
『からかうなよ〜! 本気で悩んでんだからよ…! 』

足を踏み外して後ろに倒れ込んだところを新一が支える。

「なんというか…A、場数はこなしてっから対応だけは良いというか…さすがというか…今頃店にいた人達は全員拘束されてるんじゃねえか? 犯人の一人…ショットガン持ってたけど、そう簡単に手に入るものでもないし、レジの金だけ寄越してもらうだけなら包丁で充分だしな…店では立て篭りの身代金目的か、もしくはそれに準ずる金が…」

顎に手を当てて呟く新一を見て俺が目を爛々と輝かせているのに気がついたようで「見すぎ」とデコピンをされてしまった。

『すっげー新一! さすがだな…あんな少しの情報でそこまで分かるなんて…! 俺ぁ感心した! ということでここからどうするか考えてくれ』
「オレもおめーの計画性が杜撰すぎてある意味感心したよ」

呆れた顔を浮かべて新一はため息をついた。幼なじみのよしみと思って!と付け加えるとまた頬を抓られて引っぱたかれる。

『マジで有希子さんをこんな短いスパンで何回も悲しませる訳には行かないんだよ…幸いまだ発砲して誰か死んだわけじゃなさそうだし…早いとこ脱出して、何食わぬ顔で家に帰ろう! 後は知らない』
「…意外だな。おめーなら犯人の一人や二人殴って出てくるものだと…」
『ガキに何ができるってんだよ〜! ショットガンとバット相手じゃ無理だ! 中にいる人達は気の毒だなあってことで…』

便器の上にたって新一を肩車させることでギリギリ天井に届くことに気が付き、俺が土台になって新一の足場を安定させる。便座の蓋が心許なくたわんで『早くしろ』と声をかけると、俺の上にホコリが降って新一が「こんなもんだろ! 」とドヤ顔で俺を見た。新一の後ろには開いた天井裏への道が黒黒と俺たちを誘っていた。

「ガキの声がしたんだって」

男の声が聞こえる。

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設定タグ:名探偵コナン , 男主 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ちゅんこ | 作成日時:2021年4月2日 22時

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