検索窓
今日:7 hit、昨日:7 hit、合計:120,109 hit

171、想いあって(別視点) ページ24

何度も唇を合わせていればAはもう息も絶え絶えになっていた。
震える手で総悟の服を掴み、目を閉じて抵抗する事なくただ受け入れている姿を見て総悟は嬉しげに目を細める。

あの爺さんの言う通り、総悟は狸寝入りを決め込んだ。
何が起こるかと期待していれば期待以上のもので。
唇は離さずに頭や首元を撫でれば何度も体が跳ねる。
総悟はそれをただ満足するまでし続けた。




少し満足してAからゆっくり離れれば、目を閉じてぐったりしたAが目に入ってつい笑みが浮かぶ。
(こんな姿も、この唇も…全部俺のもんだ)

「A、もう一度言って」
「…?」

ほんのりと目を開いたAは何のことか分からないようでただ見つめ返してくる。
その姿を見ながら、総悟はしっかり目を見つめた。

「ちゃんと目を見てもう一度」

ちゃんと気持ちを言って。
そう伝えた総悟に、Aはそっと唇を開いた。

「…あ……、す、好き。好きです」
「ん、もっと」
「総悟、好き…」

もう一度唇を優しく合わせてから、Aの体を起こしてだらりと力の抜けた上半身を抱きしめた。
そこにはいつも通り防具がその存在を主張していて苦笑いがもれる。

「この防具が取れる日はいつになるかねェ…」
「ん……?」
「それまでに男同士のやり方、勉強してくらァ」
「……?」

抱きしめ返してきたAに面食らったように目を見開いた後、総悟はさらにきつく抱きしめた。
(酸欠で頭回ってねェか)

「あー、こりゃたまんねぇなァ……」




「……え、ちょっと待て。時間…っ」

どうやらぼうっとしていた意識が戻ってきたらしい。
Aは慌てたように総悟から離れて時計を見たと思えば、その顔を真っ赤に染めながら必死に言葉を紡ぎ始めた。
あれは気の迷いで、とか言うつもりは、とか言い訳をし続けるAを見ながら、総悟は笑みを浮かべた。

「A、好きだぜ」

その一言で言い訳はもう何も出てこなくなってしまったらしい。
さらに顔を赤くしながら、その顔を隠すようにソファーの背もたれに顔を埋めた。
その背後に寄り、Aの耳に唇を寄せる。

「A、抱擁ぐれぇさせなせェ」
「っ、」

そろそろと顔を上げたAは、総悟の肩に顔を埋めた。
その様子にまた笑みが溢れ、ぎゅうと強く抱きしめる。

「この防具、マジ邪魔だなァ……」
「……が、我慢しろ…」
「へいへい」

返事をして、総悟はまたそっとAの頭を撫でた。

172、滑らせた口→←170、余す事なく※



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (108 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

からし(プロフ) - るいさん» コメント有り難う御座います!好きと言ってもらえてとても嬉しいです^ - ^ これからも更新頑張ります! (2020年5月23日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - うわぁぁめっちゃ好きです。めっちゃドキドキします。これからも更新頑張ってください! (2020年5月23日 20時) (レス) id: 7170045398 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - ゆに。さん» コメント有り難う御座います!夢主は作者の好みが詰め込まれているので可愛いと思って頂けたならとても嬉しいです!またお暇なときにでも見に来てくださいね^ - ^ (2020年5月20日 7時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに。(プロフ) - たまたまこの作品を見つけたんですけど、ものすんごく面白いです。めちゃくちゃ面白いです。夢主ちゃんも可愛いし続きが凄く気になります!!頑張ってください!!! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 9d3542e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメントいつもありがとうございます!作者も早くくっつけたいです!更新頑張りますね^ - ^ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:からし | 作成日時:2020年5月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。